アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
#14
-
「…なぁ、胡蝶」
ご主人様は、歩いてる最中
僕に話しかけた。
「目が見えねぇヤツは
他の感覚が鋭いと聞くが
お前もそうなのか?」
さあ、どうでしょう。
どこからが鋭いになるのか、わからないので。
僕は首をかしげた。
「…まぁそうだよな」
でも、鋭くなることでお役に立てるなら
僕は他の感覚が鋭くなるように
がんばります。
「…ハヤト」
「…わかっとるわ
何年あんたのトコにおると思てんねん」
「…フッ
3年程度しかいねぇくせに
胡蝶頼んだぞ」
「がってん」
…?
僕が暖かい手が離れるのを不思議に思っていると
複数の足音が近づいてきた。
「よう、栄の
珍しく1人じゃねぇか」
「そちらさんは随分と大勢で」
「俺もおるんやけど!?」
「あーあ、キーキー猿はうるさいなあ」
「なんやて!?」
「ハヤト
相手の挑発に乗ってんじゃねぇよアホ」
「若に言われたないわ!」
「なんだと?」
「おいおい、内輪揉めは後にしてくれや〜
ん?
今日はまたえらい綺麗なガキ連れてんじゃねぇか
愛しのシュウちゃんが死んだから
新しいイロ作りましたってか?
ギャハハハハハハ!!!」
「……で、……よ」
がらり、と
空気が、変わった。
「…え?」
「その汚ねぇ口で
シュウの名を呼ぶんじゃねぇ」
ドゴッ
そこからは、ひたすらに人が殴られる音。
嫌いだ。
こんな音、きらい。
「…っ!?」
「胡蝶!!」
「うぐ…、っこ、ちょう…」
どうやらハヤト様が僕を守るために
戦ってくださったらしいが
人数が多すぎたのか
僕の首に知らない人の手が当てられた。
「動くなよ、栄のダンナ
動くとこいつの首、締めちまうぜ?」
構いません、ご主人様。
僕はご主人様のためならなんだって____
【…お前のせいで
父さまと母さまは死んだ】
【でも僕は、◼︎◼︎◼︎を愛してるんだ】
【愛って、矛盾してるものなんだよ】
…それにしても
締められる位置が悪い。
首を絞められると、どうしても…
思い出してしまう。
あの日のことを。
「…っう…ぐ…
ご…じん、さ…っま…」
僕は何年振りかに
喉を震わせた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 100