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#18
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「…僕が、ご主人様の家族など…
そんなこと、できません
そんな、恐れ多いこと…」
「なんだ、俺の家族は嫌か?」
「そうではありません…!
…ですが、奴隷が主人の家族などということは、」
「胡蝶は奴隷じゃねぇ
俺はお前に金なんぞ払った覚えはねぇし
誰かから買った覚えもねぇ
胡蝶は俺が拾った
だから、俺の家族だ
…不服か?」
「ご主人様は、それで本当に良いのですか?」
「ああ、いいさ
良くねぇことなんざ提案しねぇよ」
本当に、僕なんかが家族でいいのですか?
こんなに穢れた、僕でも。
「…ご主人様、僕は 「そう、それ」 …え?」
「そのご主人様っての、やっぱやめねぇか?
家族なんだからよ」
かぞく…
「…では、ご主人様ではなく
お父様とお呼びした方が…」
「おいおい、俺ぁまだそんなに老けちゃいねぇがな」
「いいねぇ〜
家族なんだし
んね、アーキーちゃん?」
「楽しそうに笑ってんじゃねぇ柴田…」
「すみません
では、なんとお呼びすれば…」
「…瑛影、それが俺の名だ
言っとくが
…様付けて呼ぶんじゃねぇぞ」
「では…
瑛影、さ…ん……」
さん、なんて
生まれて一度も使ったことがない。
それを、今初めて口にして
違和感がないわけがない。
でも、なぜだろう。
目も見えないのに、どうしてだろう。
周りが色づいたように感じるのは。
急に香りが華やいだように感じるのは。
どうしてなんだろうか。
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