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#19
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瑛影side
『家族』
この単語を発した瞬間
胡蝶が大きな反応を見せた。
胡蝶がこうなったのは、家族が原因か?
…いや、まさか。
もし家族にこんな事をやらされているなら
こんなに純粋な人間にはならない。
胡蝶は、純粋だ。
その瞳、髪、肌、心
全てが純粋無垢で、だからこそ美しい。
どうしたらこんなに
綺麗に育つのだろうか。
「胡蝶、部屋に戻るか」
「はい」
俺は部屋の外で待機していたハヤトに声をかけ
胡蝶を連れて行かせた。
部屋には、柴田と2人きり。
「…嬢ちゃんの家族、か」
どうやら柴田も気付いていたようだ。
「ああ
だが、家族がここまで苦しめるものなのか?」
「アキちゃんにはわかんないだろうね〜
あんなに優しい父がいて
まぁ女の方は出ていっちまったけど
優しいジジィもいて
…恵まれてんだよ、アキちゃんは」
「…アキちゃん言うなクソ医者」
でも、柴田の言う通りかもしれない。
俺は恵まれている。
自分の性分を突き通す環境があって
仲間がいて
仕事もあって
毎日とはいかねぇが、笑っていられる。
そんな小さなことが、一番大切なのかもしれない。
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