アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
#21
-
ゆ、め…
「…っはぁ、は…っは、」
息が荒い。
…ハヤト、いなくてよかった。
いや、いなかったから見たのかもしれない。
あんな夢。
久々に、ひとりきりになったから。
「…ひとり」
僕は、ひとりだ。
それでよかったんだ。
でも、繋がりたいと思ってしまった。
願ってしまった、僕自身が。
ここにいたい、と。
頭を撫でられる感触。
抱きしめられた時の体温。
どれも不快で、嫌だ。
それなのに、心地よくて、あったかくて。
これが愛なのですか、兄様。
こんなに苦しいのが、愛だというのですか。
兄様は、この苦しみを抱えているのですか。
それは、僕が消えれば無くなりますか。
そうすれば、兄様は元の兄様に戻りますか。
あの無邪気な笑顔を
僕はもう一度、見れますか。
この、なにも映らない瞳で。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 100