アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
#22
-
_____________
__________
______
「胡蝶、おはようさん」
「…ハヤト、おはようございます」
ハヤトが部屋に入ってくる。
「…昨日よりは顔色良さそうやな
眠れたか?」
「はい
初めて1人用の寝床で寝ることができました」
「初めて!?
そら難儀やなぁ…」
「…はい」
あの夢を見てからは、一睡もしていない。
でも、それまでにいくらか眠ったようで
身体のだるさが少し取れている。
「朝食持ってきたで
布団片すから、胡蝶はちょっとこっちおってな」
僕は脇をひょいと持ち上げられ
部屋の隅に移動させられた。
「胡蝶軽いな〜!
発泡スチロールかと思たで!」
「それは言い過ぎです」
「ちゃんと食べんと…
っせいや!
ふぅ……あかんで?」
布団がバサ、と音を立てると
押入れの戸が閉まる音がした。
「おし、窓も開けたし
飯にするで!」
「はい」
「おかゆやけど、ちゃんと食べや」
「はい
…いただきます」
ハヤトが、僕に食べさせてくれるらしい。
食事なんて、自分が生きていけるだけの量なら
なにを食べても構わないと思っていたのに。
温かいご飯が、とてもいい香りで。
「…っ、!あ、っつ…」
「熱かったか?
ちゃんとフーフーせんとやな、すまん」
「ふーふー?」
「ご飯を冷ますために
息吹きかけるんや
ふーってな」
へぇ…
「すみません
温かいご飯は何年振りかなので
すっかり食べ方を忘れてしまって…」
「な、…っ!?
なんやて!?」
ハヤトの声が、少し大きくなる。
「…胡蝶、お前は…
どんだけ酷い環境におったんや…!
ぬくい飯も食えへんなんて、おかしいやろ…!」
そんなに、気にすることなのだろうか。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 100