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#22
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「…視覚は大事や
感覚の殆どを司っとるからな
でも
目に見えないものは、もっと大切や
視界には映らん、確かめる方法もない
不確かなもの
せやからこそ、大事にせなあかんねん」
目に見えない、不確かなもの?
「すみません、言っている意味がよく…」
「わからんでもええ
これからわかっていけばええ
胡蝶にも、分かるときは必ずくるさかいな!」
「…そうですか」
目に見えない不確かなものって、なんだろう。
どうやって、存在を確かめるんだろう。
そんなもの、不安になるだけじゃないだろうか。
不安になるくらいなら、いっそ捨ててしまえばいいのではないたろうか。
「…そんなに不確かなものなら
きっととても不安になるんでしょうね
それならいっそ、捨ててしまえばいいのに」
「…胡蝶にも、分かる時が来る
それまで待っとれな!」
「…はい」
それはいつ来るのだろう。
どうやって理解するのだろう。
いま理解できないものが、いつ理解できるのだろう。
そんな不安を濁らせながら
僕はおかゆを食べ続けた。
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