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#22
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「…胡蝶?
どうした、寒いか」
「いえ、お気になさらず」
「胡蝶、どうかしたんか」
「違います、僕はなんとも…」
「約束事を追加する
俺に嘘をつくな」
「………」
僕がご主人様に…瑛影さんに、意見をすることになる。
ため息をつかないでくれと、お願いすることになる。
僕がそんなことをして、いいのだろうか。
「……胡蝶、俺たち友達やないんか?
友達なら、なんでも話してくれるもんやないんか?」
ギュッ
ハヤトが、僕を抱きしめる。
ハヤトの髪が、僕の鼻をくすぐった。
「……すみません、大したことではないんです
ただ…ため息が、苦手というだけで」
「…すまない、これからは気をつける」
「いえ、お気になさらず」
「こんなに震えとるやないか!
ええわけないっちゅうねん
……大丈夫、大丈夫やで」
ハヤトは、僕の背中を優しくトントンと叩いた。
「すみません、ハヤト…
もう、大丈夫です
ありがとうございました」
「そか?
落ち着いたんなら、よかった」
「………胡蝶
今日は1日ゆっくり寝てろ
ハヤト話がある、こい」
「…へーへー、心の狭いおっちゃんやなぁ」
「まだ29だおっちゃん言うな」
「おーこわ
じゃーな胡蝶、またあとで!」
「はい…」
「それは俺のセリフだ
お前今月のノルマ終わってんのか?」
「うぐっ…」
「終わってねぇなら回収行ってこい
土地の下見も忘れんじゃねぇぞ」
「…ほーい」
「待て
その前に話だ、行くぞ」
「ほな胡蝶、また今夜な!」
「はい、ハヤト」
障子の閉まる音。
足音が遠ざかって…また、静寂。
静けさにこんな思いが募るなら
やっぱり賑やかさなんて、知るんじゃなかった。
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