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#26
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柴田side
余計なことを、言ってしまった。
《気持ちを隠すのは得意です》
そう言って笑ったあの子の顔は
全てを知った俺にさえ完璧だった。
瑛影はただでさえ恋愛に疎い。
胡蝶を疑うことすらないだろう。
「なんの…運命の、悪戯かねぇ」
胡蝶が、胡蝶ばかりが
どうしてあんなに苦しまなきゃいけないんだ。
「…て、あれ
俺にも情が移ったか〜?
参ったな
面倒事に巻き込まれるのはゴメンだ」
《嬢ちゃん
このことを知ってるのは俺だけだ
だから…俺には、隠さなくて良いんだぜ》
…なーんであんなこと言っちまったかなぁ。
あんな、面倒事に巻き込まれて当然のセリフ
いつもの俺なら言わねぇのになぁ。
《僕にはお似合いな展開です》
でも、もう抜け出せない。
嬢ちゃんのあんなセリフ聞いちまったんだ。
あんなガキに惚れたわけじゃないが
ガキのホンネ知ってんのはたった1人、俺だけだ。
その俺が動かねぇんじゃ
俺ぁ死んだも同然だ。
「…色恋なんざ、俺はゴメンだ
面倒事の次にゴメンだよ
色恋なんざ……必要ねぇ」
まったく
俺はお気楽に、テキトーに生きていたいだけなのに
「やだねぇ、あーやだやだ」
人生ってのは、厄介事が多くていけねぇなあ。
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