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クッッ。
限界が近い…。
もう点滴も終わったというのにアイツは何してるんだ。
僕は今、絶賛尿意と闘っているところだ。
前にトイレに行ったのがいつだったか忘れたが、先程一気飲みした水か、打たれた点滴に利尿作用がある薬を混ぜたとしか思えない。
昔なら薬が入っている可能性に警戒していたのに、橙真のせいで全てが鈍ってきている。
点滴が終わってもここに来ないと言うことが、薬を盛ったことを暗に示している。
何が「可愛らしく強請ってご覧。」だ。
何もかも全て計算済みということだろう。
きっとそのカメラで、今の僕の姿を楽しそうに見ているんだろう。
僕がカメラ越しに強請る姿を、今か今かと待ちわびながら。
「クッソ、ムカつく…。」
小さくそう呟いてカメラをグッと睨んでやる。
「随分と可愛らしい睨みだね。」
いつの間にか開いたドアから橙真が出てきた。
「で、旭陽はどうしたい?」
「トイレ行かせろよ。限界近いの分かってるんだろ?」
「この部屋はベッドルームとシャワー室しかない。さてどうしようか?漏らしてもいいけど?」
意地悪そうに見つめてくる目が気に入らない。
拘束されていて、何もできない自分が気に入らない。
「漏らすわけないだろ。ここから出してトイレに行かせろよ。」
ダンッッ!!
「旭陽?さっきから誰にモノ言ってる?お前はまだ躾直し中なんだよ?俺は許したとは言っていない。言うことはキチンと聞くのが賢い狗だろう?」
壁が壊れそうな勢いでされた壁ドン。
顔に当たっていたら骨折は免れなかった。
この人には逆らえない。
逆らってはいけないんだと、身体が危険信号を出している。
「ごめんなさっっ、」
昨日覚えさせられた言葉が無意識に口から零れた。
「しっかり言えて偉いね旭陽。」
あぁ、褒められた。
なんでこんなに嬉しいんだろう。
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