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「ええ、そーっすね。こないだ一人辞めちゃったから人手不足もありますし。空いた所を早く穴埋めしないと編集長もみんな大変かと思って、たまたまこの子がうちに来たのでサクッと採用しました。何か問題でも?」
「お前と言う奴が、いくら人手不足でも。こんな小学生か分からん、ちっこいお子様を採用する奴がおるか!」
斎藤編集長は思わず本音が出た。その言葉に頼は遠い目をして、砂のようにサラサラと散った。
「斎藤編集長、今のはいくら彼でも傷つきますよ……」
篝はそこでフォローすると、彼は気まずそうに咳払いをして顔を反らした。
「じゃあ、どーするんっすか。手っ取り早くコイツ首にしますか?」
「篠原さんもストレート過ぎますよ、急に首とか彼に失礼ですよ!」
「んじゃ、編集長が気に食わないみたいだから。アンタ首だとさ。ほれ、サッサと帰った帰った」
「さっきと丸切り同じじゃないですか!?」
篝は篠原に凄い剣幕で怒りながらツッコミを入れた。頼は悟りを開いた顔で呟いた。
「篝さん、もう良いです。僕はどうせ、ちびっ子な童顔小学生ですから――」
そう言って頼は『ふっ…』と呟きながら真顔で捻くれた。
「どうせどうせ、僕なんか……ブツブツ」
「ああっ、頼君の自尊心が壊れて行く!」
彼は近くで見て慌てふためいた。さすがの二人も頼を見て何も言えなくなった。斎藤編集長は篠原に小声でヒソヒソと話すと、ようやく話は纏まった。
「お前、良かったな。編集長のお許しが出たぞ。今日から働いてもいいってさ」
「ほっ、ホントにですか……!?」
「ああ。それにうちが人手不足なのは本当の事だし。お前さえ良ければだけどな」
頼はそこで顔をパァっと明るくさせると、喜びの声を上げた。
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