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憧れの出版業界
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僕の小さい頃の夢は出版業界で働くことだった。出版社で働けるなら、どこでも良かった。だけど現実は、なかなかうまくいかないことばかりだ。二十歳になって出版社に面接に行って6回も面接に落ちた。
「あ~あ、自分って本当にダメだなぁ……」とため息をついて諦めていた頃、ついに一社からの電話がかかってきた。そこは僕が7回目に面接に行った出版社だった。なんとそこから採用の電話がかかってきたのだった。その時は嬉しくて思わず踊り出したい気分だった。これでついに僕も夢の出版業界で働けるっぞと、電話越しで大喜びした。そして、次の日に僕は朝から張り切って髪型を整えてスーツをビシッと決めてから家を出た。そして電車に乗って働く会社に出勤した。
「うわぁ~! やっぱり改めてみると、このビル相当でかいなぁ。さすが大手出版社。こんなところ働けるなんてまるで夢のようだ! って、夢じゃないよね? 本当に夢じゃないよね? どれ、ほっぺたをつねってみよう!」
僕は出版社の入口の前で一人で喜んだ。そして、これが夢じゃないかを確認した。ほっぺたをぎゅっとつねると夢じゃなかった。だけどほっぺたをつねったから痛い。僕は自分で自分のほっぺたをつねって痛がった。そして、再び再確認した。
「よし、夢じゃないぞ! ここで働けるなんて嬉しすぎる! ここは色々な人気作品が生み出されている所なんだよな! いわば聖地みたいなもんだよな。僕も頑張って素敵な作品を世に送り出すぞ! その為にはまずは、作家さんを自分の手で育ててから……えへっ、えへへ……」
僕は自分の膨らむ夢に思わず、にやけた顔が止まらなかった。そして、張り切って入口の中へと入って行った。
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