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サングラスをかけた男性が僕の真ん前に立つといきなり右腕をバッと伸ばしてきた。僕はそれに反応すると、いよいよかと悟った。
やっぱり初めての時は痛いのかな?
無理やりアレを押し込められたら嫌だな。
せめてちゃんと、前戯はして欲しいな。でも、この人どうみてもオラオラしそうだよな。
ああ……!
僕は頭の回路がショートした途端に、真ん前にいる彼に向かって心の声を口走った。
「せっ、せめて濡らしてからにして下さい……!」
『はっ!?』
その瞬間、僕は自分の心の声をそのまま相手に向かって口走った。彼はその言葉にビックリした表情をした。
「あっ……!?」
し、しまった……! 思わず心の声を口に出してしまった……!
僕はわかりやすいリアクションで彼の前で動揺した。そして、伸びてきた右腕は僕の後ろにある扉を開くボタンを指先で押した。
「ボタン押せよ閉まるだろ? って言うか、今の何?」
『えっ……!?』
僕はそう言われるとバッと扉の方を見た。気がついたらエレベーターは8階でとまっていた。僕としたことが妄想が激し過ぎてエレベーターが既に止まっていることに気づかなかった。しかも目の前の相手に「せめて濡らしてからにして!」と、言ってしまった……! これではおかしな人だ……!いや、そんなことを急に言われたら誰でも変な奴だと思うだろう。僕はしまったとばかりに自分の口を手で押さえた。
「なあ、今の言葉は何?」
「へっ……? あっ……いや、その……」
「今なんか言ったよな?」
彼はそう聞き返すと急に顔をグイッと近づけてきた。僕は目が泳いだ。そして、知らないフリをして見せた。
「さっ、さあ。なんのことですか……?」
「ふーん……まあ、いいや。それよりアンタ降りるなら先に降りれよ?」
「あっ、いいです……! あとから僕は降りますので…――!」
「そう。じゃあ、先に降ろさせてもらう」
「おっ、お構い無く……!」
相手にそう返事をするとその場をやり過ごそうとした。そして、彼は僕の横を通り過ぎた。
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