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「わらびもち先生のお帰りだ! ええい、みなのもの道を開けーい!」
うしろの人がそう言って台車を押して走らせていた。僕はその光景に釘付けになりながら、顔をひきつらせて口走った。
『ばっ、ばかな……!?』
「わらびもち先生、次は月刊びーえるず!ノベルからの仕事の依頼が来ております! 如何なさいますか?」
「うむ、ではその仕事引き受けようとしよう。時は鐘なりだ。仕事は生物だ。新鮮なうちが何でも肝心だ。」
「承知しました! では、次回に打ち合わせとのことで今日はお疲れ様でした!」
「うむ、安達君もご苦労様。では我輩はここで失敬させて頂くぞ。」
「ははっ!」
彼はそういって返事をすると、自分の頭を深々と下げた。わらびもち先生と呼ばれる和服姿の男性は、台車から降りると僕の方をチラリと横目で見てきた。そして和風の扇子をバッと取り出すと口元を隠して強かに笑ってきた。僕は頭の思考が止まりながらその様子を呆然と見つめた。そして彼は優雅に編集部から出て行った。
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