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続きはまたあとで
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爽太はゆったりと歩いているので、俺は様子を伺いながら、爽太についていく
「…幸一」
急に止まったかと思えば、名前を呼ばれて俺も自然にとまり、爽太の言葉を待っていると
「俺、足りないんだけど、どうすればいい」
「…?」
「幸一不足ってこと」
爽太の真っ黒い瞳が細められる
「いみわかんねぇよ…」
その甘ったるい視線からにげるように顔を逸らしボソッと呟けば、フッという漏れた笑い声が聞こえた
多分俺の顔が照れて赤くなってることなんてばれていて、それでいて爽太は楽しんでいるんだろう
そんな爽太を無視して横を通り過ぎようとすれば、それは爽太によって止められる
そしてそのまま角のところまで引っ張られた
「これで我慢するから」
そう言って、片手で俺の首を引き寄せ、流れるままに甘いキスの雨がふってくる
こんなとこ誰かに見られたら、なんて考える間もなく爽太のキスによって脳内が痺れ始める
「…っふ、ん…ぁ…っ」
うなじを撫でる手がくすぐったくて身をよじると、爽太は角度を変えてさらに深く俺の口内に侵入してきた
俺はだんだんとからだを支える力がなくなり、からだの力が抜けていく
それを察したのか、爽太は空いた手で俺の腰を強く引き寄せた
さらにからだがぴったりと密着して、1ミリも隙間がなくなる
爽太の香りもより強くなって、俺は頭がふわふわしとしてくる
気持ちいいから爽太のキスは嫌いじゃない……
力が抜けていくとともに俺はだんだんと正直に素直になっていく
もっと爽太でからだを満たしたくて、自分から求めるように積極的に舌を出してみれば、爽太のからだが一瞬こわばった
けれどそれは一瞬で、俺のだした舌を味わうように絡ませ、歯列、上顎と丁寧に舐めとっていく
くすぐったくて、でも、気持ちよくて…
もっと、というように、爽太を深く深く受け入れていく
「っやば…とめらんなくなる…」
そう小さくボソッと、擦れた甘い声で呟かれる
いつもじゃねえかよ…なんて言葉は口がふさがれて言葉にできない
そのかわりに俺はただただ爽太のキスを受け止めた
甘くとろけるような時間は一瞬で、爽太の最後のちゅっというリップ音が終わりをつげて、はあ…と甘い息をはく
俺も酸素を求めて、浅くなった息を整えて、ぐでっと爽太の胸に体重を預けた
爽太はそれを拒否ろうともどけようともせず、ただ優しく俺を抱きとめてくれる
「もう大丈夫?」
俺はそれにコクリと頷く
「…じゃあ続きはまたあとで、だね」
爽太はそう言いながら、満足そうに笑いかけた
「…後でなんてねえよ」
「嫌がっても無理やり連れてくし?」
さきほどの優しい笑みが黒い笑みに変わっていた
ああ……そうだった、こいつは爽やか王子なんじゃなくて、隠れどえす王子…いや悪魔だった……
そう再認識した俺は、何かたくらんでいるような笑顔で笑う爽太に苦笑いを浮かべた
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