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忍たま東堂庵へゆく の段~二次創作弱虫ペダル
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利吉さんの斥候のお手伝いに、相模まで行った。
相模といえば箱根。
箱根といえば温泉。
贅沢に慣れたしんべヱのわがままが通って、高級温泉宿に泊まれてしまった。
泳げるような広い温泉。
もちろん私もしんべヱも泳いでしまったし、きりちゃんにいたっては、お湯売れないかなーと桶に汲み出す始末。
さすがに利吉さんが怒った。
こら。
温泉は泳いじゃいけないし、勝手に売ってもだめだ!
特にここは湯の媛(ユノヒメ)という、ものすごーく怖いおんな神様の持ち湯…
と、利吉さんに咎められてるさなかにそれは起こった。
もやもやもやもやーっと、きてれつな色の霧が立ち込めたかと思うと、空間がぐにゃってした感じして、霧が晴れたらその場所は、建屋もお風呂のたたずまいも、全く変わってしまってたのだ。
お湯の質と湯場の形は同じ。
けれど利吉さんのいた場所には、総髪の、利吉さんと同じくらいの年の若者と、緑色の髪の細いお兄さんと~これも利吉さんくらいの年~と、僕みたいな丸めがねの男の子がいて、利吉さんの姿は全くなかった。
きりちゃんが最初に反応した。
ここどこおおおお!?
メガネの人は小野田坂道。
緑の人は巻島裕介。
総髪は東堂尽八と名乗った。
東堂って、この宿の名前とおんなじ?
俺のうちが代々受け継いでる湯だからな。
で?
君たちはどこから入った。
どこからって、ねえ…
垣根をくぐったのなら、警察に通報しなくてはならなくなるのだ。
警察?
警察ってなに?
検非違使(けびいし)に音が似てるよね?
検非違使やばいじゃん!
忍者の卵ってバレたら…
きりちゃん!
僕もしんべヱも大慌て。
でもめがねの子が言った。
君たち、もしかして、忍たまさん?
えーっ!?
何で知ってるの!?
忍者の卵だと??
東堂さんも巻島さんも目を丸くしてる。
無理もない。
僕もNH△でしか観たことないもん。
でもめがねの子が乱太郎。
ちょっとかっこいい子がきり丸。
丸っこい子がしんべヱ。
もう間違いない。
で、向こうの温泉には、利吉殿という、お主らの保護者がおるのだな?
いる!
はず!
向こうもどっか飛ばされてなきゃね。
それはわかんないですよねー。
とりあえず東堂。
優しくしとくッショ。
うー。
巻島さんに言われたら、NOとは絶対言えない東堂さんですよね。
結局僕らは三対三。
六人でめっちゃ遊びました。
卓球したり、ご飯食べたり。
ロードにも乗せてあげました。
忍たまだけあって、けっこう素早く乗りこなせてましたよ。
午後には箱学のお三方~福富さん、荒北さん、新開さん~もきたので、九人で鬼ごっこしてみました。
乱太郎君はすごく足が速くて、びっくりしました。
さしも元気な忍たまたちも、夜にはちょっと心細くなったらしい。
涙あとをつけて眠る三人(一人にはヨダレあともついてたッショ)を見やりながら、尽八はボソッと言ったッショ。
戻すなら今宵のうちでないとな。
戻せるのか?
戻せる。
寿命を一年分使うが。
尽八!
俺はユノヒメの憑り代だ。
こうしたアクシデントの対応も俺のさだめなのだ。
そう言って片手を高くかざすと、室内なのに霧が立ち込め、晴れるとそこには乱太郎たちの姿はなかった。
後日尽八から電話来た。
天正以前の記録の中に、
りすけ
らん
きり
しん
という名前があったらしい。
名前違うッショ
と言ったら、
仮にも忍者や忍者の卵が本名を宿帳に書く訳がなかろう!
あ、確かに。
しかもだ。
あの太っちょのこども。
あれはふくとみやのせがれであった。
その後親御の商売継いだ。
きり丸と乱太郎は歴史に埋もれたろうが、ふくとみやは栄え、子孫は枝分かれした。
待つッショ尽八、てことは…
そうとも巻ちゃん。
あの日フクは、期せずして、ご先祖様に会ったのだよ。
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