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親と、恋人と(☆)
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そこに、境界はあるのか?
『お前がして欲しい事、何でもしてやる』
それはまるで、麻薬のよう。
パシャ………………………
足に弾ける、水滴。
シャワーから落ちてくる湯に全身を濡らし、大和は父親の唇を貪る。
肌を伝う湯の流れ。
絡み合う舌にそれが混ざり、互いの口をたっぷりと湿らす。
悪くない。
いつもより舌の滑りが良くて、格段に舐め合える。
「はぁ……………っん…ぁ………親父………」
大和は父親の項へ手を回し、湯の滴る髪を優しく撫でた。
「大和…………………っ…」
重なる唇の隙間から、微かに漏れる父親の吐息。
少しだけ荒くなったその息に、大和の身体は一層と熱くなる。
だって…………………感じてる。
自分のキスに、父親が感じてくれてる。
唇を通して伝わるそれに、父親を悦ばせたくて一生懸命キスをしていた大和は、嬉しさで心が震えた。
もっと、感じて。
もっともっと、感じて。
父親の為なら、自分が若頭である事も忘れる位、必死に尽くせる。
「っん…………は……っ………親父の唇…………誰にも渡しとうない…………ぁん……渡しとうない…………っ…」
「ああ…………………これは、誰にも渡さん………………お前だけのもんや………………大和……………」
大和。
「親……………………父………」
大好きな、声。
キスを重ねながら、自分へ囁きかける父親の声に包まれ、大和はその優しい眼差しを映す。
愛し合うようになってから、どれだけこの眼差しに胸を踊らせただろう。
悩んでも悩んでも、結局虜になる。
底無しの沼に足をとられ、ズプズプと何もかもが素直に飲み込まれていく。
抜けられなくても、構わない。
尊敬すべき、親父。
こんな人に愛されて、『寂しい』なんて思う自分が、とても嫌な人間にさえ思える。
寂しい。
違う。
ただ、自分の実力が伴わないだけ。
ただ………………………。
「大和……………………キス、嫌か?」
「え………………………」
「何や…………………辛そうに見える………………」
辛そう。
自分の瞳にかかる前髪をかき上げ、流れる湯を拭ってくれる父親は、微笑んでそれを口にする。
辛そう。
嫌だ…………………っ!!
「そないな訳っ…………そないな訳な………んんっ!」
焦る大和の口を、一瞬で塞ぐ父親の唇。
宛ら、口の中が犯されているかのように舌が絡みつき、練っとりと奥まで撫で回す。
ああ、気持ちいい………………!
もうどうにもならない。
下半身が疼いて、ヒップの溝を通る湯さえもヒクヒク孔を刺激する。
「あっ………ふ…ぁ…………親……っ……は……っん」
腰を守るように、ソッと抱き寄せられた大和は、瞬く間にそのキスに足の力を奪われた。
しかも、股の間に当たる、父親の固くなった男根。
動く度にそれが股間で擦れて、全身が昂る。
熱くて、熱くて狂いそう。
欲しい…………………。
身体が壊れてもいい、挿れて欲しい。
欲情した脳は、理性も容易く消し去る。
………………………俺の親父。
大和は父親の胸板へすがりつき、娼夫の様に腰を擦り寄せ、身体をせがんだ。
「親父……………ぃ…………」
「…………………………大和」
お願い………………………。
身体の奥が、父親を欲して、トロトロに溶ける。
「親父……っ………はぁ……ん……好き……ぁ…あ」
サァァァァァ…………………………
止まらないシャワーの湯にまみれた親子の、なんとも淫らな様。
それも、互いの背中へは、ヤクザの証。
湯の流れとバスルームの明かりが、これでもかとその勇ましさを光らせる。
「大和………………………」
親を欲しがる、息子のエロく乱れた姿。
湯が落ちる道もない程に身体を密着させ、大和は自分を求めてくる。
嵩原は、自分を求める大和の首筋へ唇を滑らせ、悶える身体をやんわりと抱きしめた。
「…………………………愛しとる」
愛しとるよ……………………。
俺の、たった一つの宝物。
初めて抱き上げた時から、ずっと愛してる。
大和の為なら、いつだって全てを捨てられるし、世界中だって敵に回せる。
なのに…………………なのに、どうしてだろう。
がむしゃらに突っ走って来た人生が、大和の心を苦しめる。
「…………………………ごめんな」
サァァァァァ………………………
シャワーの音に紛れ、嵩原は愛しい我が子に自らの存在を詫びた。
嵩原だって、馬鹿じゃない。
誰よりも、大和を見て来た。
大和が言った『寂しい』の意味くらい、とっくにわかっている。
「………………………親父?」
首筋を撫でる父親の口から感じた、微かな振動。
何か、喋った…………………?
大和は父親の頭部へ手を添え、不安そうに問いかけた。
「なぁ、親…………………」
「イカせたるわ…………」
「は………………イ、イカ………」
ドックン……………………。
大きく波打つ鼓動と、顔を上げると飛び込む、目を細める父親。
自分の背中をなぞる指先に、大和の下半身はまた反り返る。
くれるの?…………………親父。
早く、ちょうだい。
どんなに水を飲んでも喉が渇く位、アソコも父親のモノに飢えてる。
アレを挿れられた時の快感は、忘れたくても忘れられない。
「ただし、今日はお前だけや…………………身体に無理はさせとうない」
「親父…………………っ…………俺は、大丈夫やし………無理なん………て…………ぅわっ!!?」
バシャ…………………ンッ!!
突然、激しく水しぶきが上がり、大和の身体は宙に浮く。
「ガキはガキやな……………………背はあっても、相変わらず軽いわ」
そう言うと、嵩原はねだる大和を抱え上げ、笑いながら浴槽へと運ぶ。
「ぃ…………やっ………………危ない危ないっ、親父!ここ風呂やで……………っ!コケたら痛いしっ」
「アホ抜かせ…………………大事なお前抱いて、誰がコケんねん。死んでも落とすか………………てか、焦るお前が危ないわ。黙って、俺の言う事聞かんかい」
「おっ………………親父………………」
それ、その濡れた姿で言わんでよ。
めっちゃ、惚れ惚れ致します。
溜まった湯に足を入れる父親に見とれ、大和は首もとへ腕を回した。
もう、俺…………………この人の前では、女でもええ。
大和、女になる宣言。
パシャッ……………………
嵩原は、ゆっくりと大和を下ろすと、浴槽の縁へ勢いよく湯をかけた。
「こうすれば、冷たないやろ?そこ、座り」
座り。
「え?す、座り…………………て………」
濡らされた縁を振り返り、大和がその意味に戸惑っていると、足元の湯がみるみる上昇を始める。
「親…………………………」
目の前には、その中に膝まづく父親の顔。
まさか……………………。
「あ…………………あかんっ!あかんよっ、親父っ!親父がそないな真似したら、絶対あかんっ!!」
「はあ?何言うとや…………………何が、あかんな。ゴチャゴチャ言わんと、サッと座れ。大体、俺が何するかわかっとんのかぁ?…………………スケベやな」
慌てて腰を引く大和を見上げ、父親はニンマリ。
股間の高さに、顔。
いや、わかるわぁぁぁ…………………っ!!
「ホンマ……………それだけは、やったらあかんてっ!親父は、親父なんやぞっ!」
「……………………当たり前やん。俺が、お母ちゃんに見えんのか」
見えたら、奇跡。
大和のお母ちゃんは、もっとこう華奢で美人で、笑顔が可愛………………………って!
だから、そんな話じゃなくて………………。
「親父は………………嵩原竜也なんや!ヤクザの世に名を馳せた、最高の組長なんやっ!俺なんかの前に、膝まづいてええ男ちゃう!」
バスルームに煩い程反響する、大和の必死の叫び声。
俺なんか。
気付けば、大好きな父親は、極道の世界で時の人。
親でもあるその人は、いつの間にかとてつもなくデカい男になっていた。
自分とは、格が違う。
大和にとって、最早父親は、組長が先に立つ存在へと変わってしまったのだ。
「大和…………………………」
それを言わせてるのは、自分。
俺なんか。
大和の想いを静かに聞く嵩原は、反論する事もなく、愛しい手を握りしめた。
「は…………………ぁ…………親父………っ」
「俺は、お前の愛する人でおりたい。どんなに無様に思われても、どんなに格好悪い思われても、お前を幸せにする事だけを考えたい………………それじゃ、あかんか?…………………………俺かて、男や。惚れた奴には、何でもしてやりたい思う……………」
穏やかな瞳。
綺麗な顔を緩ませ、自分を諭す姿に崩れそうになる。
「親…………………父……………ぃ」
大和は握られた手を握り返し、ヘナヘナと浴槽の縁に座り込む。
「お…………………俺、汚ないし………………」
「そないな事ばかり言うてたら、マジ怒るで」
「せやけど………………ぁ……ああっ」
身体に感じる、生温かさ。
父親の口が、迷わず自分のモノを咥えてく。
自分のモノを。
頭が真っ白になりそうだ。
「あっ…………や………ぁ…………親……っ…んんっ!あぁ」
チャプンと湯が弾け、大和は父親の肩へ手を伸ばしながら、身を屈めた。
視線の先には、自分の下半身を優しく握り、そこを貪る父親の美しい顔立ち。
美しい。
真に、父親は美しいヤクザである。
誰もがここを目指したくなる………………出で立ちからその生き方まで、他にはいない、唯一無二の王。
そんな男が、己の愛の為に、何の躊躇いもなく息子の男根に舌を這わし、悦ばせようと口をドロドロに濡らす。
許されない背徳感に大和の心は染まり、イケナイ想いがより興奮を導く。
「にっ…………錦戸にバレ……たら………ぁんっ…あっ……は……ぅ…………錦戸にバレたら……………俺……大目玉や…あっ、ああ………っ…ん」
「俺は、とうに……………高橋に叱られとるわ…………」
主を想う、一途な右腕達。
親父に何て真似を……………………っ!!
錦戸の怒る姿が、目に浮かぶ。
高橋が自分の事で父親を叱るように、錦戸もきっと目くじらを立てて自分をとがめるだろう。
それだけ、父親は貴重な人。
貴重な……………………。
「ぁああっ…………も………いぃっ…………親父ぃっ!気持ちええ………よ…………ぉっ」
先っぽに吸い付き、グチュグチュと手でしごかれたかと思うと、またかぶりつかれる。
そして、裏側の根元からべっとりと舐め回す舌の動きが、大和の腰をガクガクと揺らす。
なのに、父親は手も口も止めてはくれない。
「親父……………ぃ………………親父…………っ」
父親を呼ぶだけで、精一杯。
大和は顔を歪め、父親の肩に爪を立てた。
「ぅ…んっぁ…………あ……かんっ…………イってまう………イってまう………はぁあっ………親…………父っ」
「イキ…………………なんぼでもイカしたるから……………イったらええ………………」
悶える大和の足で、激しく波打つ水面。
下から望む、喘ぐ息子のとてもいやらしい有り様。
それを見るだけで、自分の下半身も痛いほど固くなっていく。
それでも嵩原は、大和だけを満足させようと身体をしゃぶり続けた。
「誰にも……………誰にも邪魔はさせへん………」
「イク…っ………ぅ……ふぁっ……親………あぁ…ああっ」
誰にも。
「邪魔は……………させへん………………っ」
感情が溢れる父親の声と、打ち寄せる高揚感。
まるで、麻薬。
この快楽から抜け出る術はない。
「ひ……はぁああっ……ああっ……親父ぃっ!!」
あっという間に、絶頂が脳を支配する。
抜けられない。
また、堕とされた。
底の見えない世界へ、恐いくらいに果てしなく。
「親…………………っ………」
それほど、愛してる。
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