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何もない景色(☆)
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天辺。
右を見ても、左を見ても、誰もいない。
ただ、孤独との戦い。
「俺の世界に入って来たんは、お前が初めてや」
「え………………………」
薄暗い備品庫。
表を歩けば、天下の組長と若頭。
公に出来ない恋人達は、こんな暗い場所で愛に埋もれる。
「やっと………………そんな存在に会うた」
俺の世界。
それは、どんな景色か。
人の何倍もの速さで走り抜けた、嵩原の極道人生。
あっという間に、カリスマは出来上がった。
気が付けば、同じ高さに人はいない。
天辺とは、そう言う場所。
「お前だけが、俺の瞳に映ってる……………」
「親父……………………」
自分を見つめる、真っ直ぐな瞳。
その美しさに、大和の心は奪われる。
雄々しい姿と、影を背負ったような色気。
どれほどいたぶられようと、この男から目を離したくない。
大好き。
それしか、浮かばなかった。
「好きや………………………」
掴まれた胸ぐらに、グッと力が入る。
「んっ……………は…ぁ……お…………や………ぁ」
吸い寄せられる様に、重なる唇。
垂れる唾液さえも、蜜のよう。
舐め合っても舐め合っても、まだ満たされない空腹感。
一晩中でも、キスをしていたい。
「愛しとる…………………」
「…………………ん……………」
「愛しとる………………大和」
「ぅ…………………んっ…………」
愛しとる。
それだけで、流れていた涙が益々視界を揺らす。
俺も好き。
俺も好き。
言葉が出なくて、大和は涙でそれを返した。
好き過ぎて、上手く伝えられないもどかしさ。
何で、親子なのだろう。
親子でなかったら、誰にも文句は言わせないのに。
唇から伝わる愛情に、大和の心に重い鉛が落ちてくる。
そんな大和を見つめる嵩原もまた、どうにもならない苦しみを覗かせる。
大和………………………。
愛しい息子。
我が子を愛した、最低な親の最低な恋。
天罰なら、いくらでも受けてやる…………………受けてやるから………………………。
「どうしても許しとうない………………俺の唯一の眺めを、邪魔する奴等を………………」
唯一の眺め。
嵩原しか知らない、嵩原だけの特別な景色。
もうずっと、一人。
たった、一人。
そのたった一人だった世界へ、ようやく受け入れられた、本気の愛。
色々あったが、まだ36歳。
でも、これが最後の恋。
当代きってのヤクザが、生涯こいつと決めた。
何があっても、守り抜きたくて当然かもしれない。
「親……………………ぁ…ん……ふぁ……っんん」
しょっぱい、キス。
流れる涙が、求め合う唇に絡みつく。
男のくせに、泣けるくらい好きって、凄い。
胸は高鳴り、身体は火照る。
さっきまで、下半身が痛くて泣いてたのにな………?
「早よ……………抱いて欲し………………はぁ……っ」
父親のSっ気も、盲目な愛には、ただの前戯。
最早、普通じゃ満足しないかも。
唾液で濡れた唇から、物足りない舌が顔を出す。
「いっぱい、キスして………や…………」
「したるわ…………………死ぬほど………………」
死ぬほど、しゃぶったる。
泣きながらキスをねだる大和に、嵩原の口元は緩む。
流れる涙の溢れる可愛さよ。
例え一粒の涙でも、誰にも触らせたくはない。
この全てが、俺のもの。
「……………………てか、泣き過ぎやろ。俺、ごっつ酷い奴に見えるやん」
いや、酷い奴だよ、お父ちゃん。
自分の息子のムスコに、リボン結んでる。
「泣くなや…………お前に泣かれたら、弱いねんから」
「あ……………………ん…………」
大和の頬へ手を当て、伝う滴を舐める嵩原の溺愛。
息子で恋人。
可愛いの上に可愛いが被さる。
そりゃもう、愛も異常さまっしぐら。
外じゃデカい面した若頭も、嵩原の愛の前には屁のカッパ。
「ロー○ー、尻に突っ込みにくうなるわ」
そ!
突っ込みにくくなっちゃうね。
「…………………………は」
まさに、『は』。
今、なっつった?
愛息子、お父ちゃん見上げ固まった。
何か、ろくでもないネーミングが頭に響いた気が。
「身体………………解しとかんとな………………」
ロー○ーで♪
何食わぬ顔で額にチューする嵩原に、大和の顔は引きつる。
「ちょ…………………解すて、何…………使うん?」
「だから、ロー○ーでや」
「…………………………冗談やろ?」
「冗談言うとる顔に見えるか?………………コレ」
見上げた先は、満面の笑みで自分を指す父親。
ハイ、見えまーす!
遠くで、誰かが手を挙げた。
ただ、超絶ファザコン息子は、そうはいかない。
父親を見る目は、完全なるハート型。
「めっちゃ格好ええ…………………」
答えになってない。
親も親なら、子も子である。
ああ、ダメだ。
笑顔のお父ちゃんに、ベタ惚れ惚れ。
大和は、父親の首筋へ赤い顔を埋め、その格好良さに酔いしれた。
アホだろ。
アホです。
ロー○ーより、父親のイケメン振りが勝る。
大和、Mっ子一直線?
弄って下さい、好きなだけ。
「帰ったら、朝までイカし続けたるわ………………」
「あっ……………あ…ぁっ」
起ち上がる男根の先っぽへ指を立て、クリクリいたぶるエロ親父。
リボン、一段と食い込んじゃう。
「ぃ………ぁ……痛…………いぃ………」
父親のスーツを握りしめ、腰を揺らす大和の辛そうな顔。
だけど、どうして……………握りしめる拳が、なんとも可愛らしい。
余計に、いじめたくなってしまう。
「……………………相変わらず、たまらんな」
嵩原は大和を抱き寄せ、自分の指をたっぷりの唾液で濡らすように一気に口へと含んだ。
「そのまま俺にしがみついとれ…………」
「え…………ぁ…あ…………やっ」
抱えられる腰と、ヒップに感じる違和感。
溝をなぞる父親の指先が、ゆっくりと行き着く場所がわかる、興奮。
ヌプ…………………プ………
「ぁあっ………は……ぅんっ…んっ!」
歯を食い縛る大和の涙が、ポタポタ落ちる。
下半身が、重い。
ヒップの窪みを捉える緩やかな指の動き。
足は震え、痛みと快感が交差する。
「ぃやぁ…っ…………親父ぃ………あっ…あ……ぁ…っ」
頭が、パニック。
反り返った一物が、ねっとり糸を垂らして、リボンに染みを作ってる。
なのに、父親の指はスッポリ付け根まで入り込み、コリコリと中をまさぐる。
そこ、ヤバい……………………。
大和が涙を流して父親を見ると、当の本人は耳元で呟く。
「お前のココ………………めっちゃ感度ええな。今まで抱いたどの女よりも、俺好みやで」
「は……ぁ…………ああ………っ……も…………も…ぉ…」
どの女よりも、俺好み。
ズルい。
胸が、キュンてした。
ジュブジュブ突き上げる動作の耐え難い気持ち良さより、自分の一物を締め付けるリボンの拷問より、脳内がそれで支配される。
母さん、ごめん……………………。
「お………………俺が、一番て………事?」
この人の一番が、欲しい。
父親の首筋へ手を回し、大和は目一杯顔を近付け、訊ねる。
どの女よりも……………………。
一番が、欲しいよ。
「あ……ぁ………………親………っ」
「当たり前やろ……………………でなきゃ、こないにヤキモチ妬くか」
「っん…………んぁ…あっ………父……ぃ」
背中を支える手に力を込めて抱きしめる口付けに、全てが持ってかれる。
大好きだった母親までも、恋敵に思う。
堕ちてく愛を、掬い取る術はない。
互いによそ見出来る程、器用ではないのだから。
「俺の身体や…………俺が抱くまで、イクなよ。ま、イキとうてもイカれへんよう、調節しといたる」
「ぅ……………ふぁ…っ…………はぁ…あっ」
ジュルッと、中から指が抜ける感覚に、大和は仰け反り身悶える。
少しだけ視界に入った父親の手は、自分の卑猥な蜜でグッショリ濡れていた。
「可愛いな…………………大和……………」
「親…………は…………ぁ……父………………はぁ…」
自分を見下ろす父親の男の顔。
やっぱり、世界一格好いい。
「足、開き……………………これに耐えたら、俺の身体、好きなだけやるから」
天下の嵩原竜也を好きなだけ。
「ん………………んっ………」
それは、耐えるしかない。
大和は、父親の身体へ抱き付き、頷いた。
あと、少し。
あと少しで、燃えるような熱い夜がやって来る。
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