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#2 (May)
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その翌日の夜、真矢おばさんの息子さんとの勉強会のことを話された。
真矢おばさんの息子さんは、俺の3つ歳上で今は大学3年生の20歳。
実家は県内の端のほうにあるのだが、大学が俺の家からそう遠くないところにあり、大学近くのマンションで1人暮らしをしているらしい。
だから、俺の家と息子さんのマンションもそう遠くはないだろう。
一応、家庭教師という名で勉強を教えてもらうのだが、俺の家にその人が来るのではなく、その人の部屋に俺が行って教えてもらうから、家庭教師と呼ぶのかは微妙なところだ。
大学生だからバイトが忙しいらしく、普段暇な俺が部屋にお邪魔させてもらうほうがいいということになったからだ。
ちなみに、教えてもらうからにはお礼ということで金を払うのだが、1日約2時間半くらいで1000円という安値。その代わり、その人の家のことを手伝ってほしいと言う。
料理とか掃除とかのことだろう。
俺は幸いにも、料理等の家事は割りと出来るタイプだから、俺にとっては何の苦でもない。
だが、1日1000円と家事の手伝いだけで本当にいいのだろうかという疑問も少し残る。
そんな俺の受験へ向けた勉強は、早くも明日から始まることになった。
次の日。
「陽翔、この間の模試の結果悪かったんだろ?塾とか通うのか?」
まだ1時限目後だというのに、もうコンビニで買ってきたパンをかじっている友達の高頭嶺(たかとう れい)が問いてきた。
「…いや、もうこの時期からじゃ遅いし。」
「じゃあどーすんの?昨日あんなに原に怒られてたじゃん。」
原というのは、俺たちのクラスの担任の名前だ。
「……知り合いの大学生に教えてもらうことになったから、まぁ大丈夫だと思う。」
「うぇ!?マジ!?いつから?」
「…………今日。」
そう。今日の夜の7時からその大学生さんのマンションの部屋で、勉強を教えてもらう。
昼間の今から、何気に緊張している。
「うっわ、マジか~。ヤル気満々だなぁ。…どうする?その大学生が回答間違えたら怒るようなめっちゃスパルタの人だったら。」
「……うっへぇ、それだけはまじ勘弁…。」
実際のところ、俺はその人のことを全く知らない。
まぁ、相手も俺のことは知らないだろうからお互い様なんだが、歳上っていうのがどうも怖い。
嶺にスパルタかもしれないと言われて、余計にビビってしまう。
…ここまで来たら何とかするっきゃねぇか…。
夜、部活を引退した俺たち3年は、学校に残って補習に出る生徒やすぐに家に帰る生徒等様々。
その中でも俺は後者に当たる。
電車で20分程揺られ、家に帰る。
帰ってからは、一応大学生さんの部屋に行く前に今日の復習をしておく。
だがそんなのは初日で緊張しているからで、慣れてきたらそんなことしなくなるんだろうが。
夕食の副菜だけを食べ、少し早めに家を出た。
母親から貰った地図を見ながら駅の方へ歩く。
どうやらマンションは駅の裏にあるようだった。
そして、やっとの思いでそのマンションを見つける。
そのマンションは、1人暮らしをするには少し大きすぎるのではないかと思えるほどの大きさの、まだ新設と言ってもいいほどの新しい綺麗なマンションだった。
とりあえずエントランスを過ぎ、住んでいると思われる部屋の前まで来た。
表札には、その大学生さんの名前があった。
ここに間違いないと思い、思い切ってインターホンを押す。
ピンポーン
…ガチャ
数秒経ってから、静かに重いマンションの扉が開いた。
現れたのは、長身で男の俺から見てもイケメンと思えるほどの美形の男性だった。
━━━━ この人が、三ヶ島優輝さん…。
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