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Your kiss is sweeter than honey.
出会い 3
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扉の前で、ため息をついた。
(威圧感がすごい…)
お客様だから、接客しないと…。
「…マスター、ブレンドとハニートースト薄めでお願いします。ハチミツは少量をかけて、別の容器に追加を入れて欲しいです」
カウンターのマスターに、注文を言う。
「はい、はい」
マスターは、ハニートーストに取りかかった。
「聖梨くん、大丈夫かい?」
常連客が、聖梨の顔を見て言ってきた。
「あ、はい…。そうだ、マスター。個室のお客様が先に会計済ませておいてくれって言われて、カードを渡されてしまったのですけど…」
さっき渡された、黒いカードを見せる。
「…って、聖梨くん!それって!」
「ブラック、でした」
「わー、いるんだねぇ」
常連客も驚きを隠せない。
マスターは動じることなく、聖梨に言う。
「聖梨くん、会計済ませておいてあげて。きっと忙しい人なんだよ」
その言葉に、聖梨は少し恐怖心がなくなった。
マスターの、人を見る眼はすごく良い。
長年、接客業をしていたからなのかマスターが警戒をしないのなら、あの人はそんなに恐い人ではないのかと思えた。
「わかりました」
サインは必要だから、食事と一緒に持っていってもいいかなどと考えていると、マスターから呼ばれる。
「聖梨くん、出来たよ。お願いね」
「はい」
トレイにカップ、皿、ハチミツを入れた小瓶、フォークとナイフを乗せて個室に向かった。
トントンッと、ノックをした。
「失礼します。ブレンドコーヒーとハニートーストです。ハチミツは少量かけてありますが、お好みでおかけ下さい。あと、支払いのサインをお願いします」
ペンと紙を渡した。
「ん」
書き慣れているらしく、サラサラ~とサインを書いた。
(…芸能人、とか?)
そういう分野は疎く、よくわからない。
サイン慣れしているのは、確かだった。
「では、ごゆっくり…っ!!」
そう言った瞬間、また腕を捕まえられソファーに座っている男の方に引き寄せられた。
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