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その後、幸仁さんや吏さんが来てくれて、俺は涼の車で病院へ運ばれて手当てをうけた。
兄さんと父さんが骨が折れてるって言ってた気がするけどあまり覚えてない。
涼に嫌われた、その事で頭が一杯で他の事を考えるほど余裕がなかった。
そして、気づけば左手右足にギブスをはめられ、涼の家へ。
何で涼の家?
…別れ話?嫌だ、嫌だ。
俺には涼が居ないと駄目なのに。
どうすれば別れなくて済む?どうしたら、まだ涼の側に居られる?
…嗚呼、駄目だ。寒くなってきた。おかしいな、浴びてるシャワーの温度は40度に近いのに。
最近は感じることのなかった寒さ。体の奥の方から冷えていく感じの。
…涼が居ない世界、それを想像するだけでぽっかりと何か大きい穴が開いた気がした。
風呂から出て下着を穿く。下はギブスのせいでパンツしか穿けない。その上に用意されていた涼のシャツを着る。下着が隠れるか隠れないか位の大きさ。軽くワンピース状態だ。
「これ、着んのも最後…?」
大好きな、涼の甘い匂い。もうそれに包まれることはない?嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ。
「…昴流、髪はちゃんと拭けって言っただろ」
「…わる、い」
壁を伝ってひょこひょことリビングの方に行くと、髪がびしょびしょの俺を見て、苦笑いをし、タオルを取ってきてワシャワシャとタオルで俺の髪の毛の水分を拭き取っていく。
こうやって、優しく声をかけられんのも、髪を拭いてもらうのも今日が最後。
…最後、なんだ。
「…ふぇ…っ、ひぐ…」
「えっ、え…?!昴流?!酷いことされたの?」
泣き出した俺に、慌てる涼。
涼の質問に小さく横に首を振る。
「…すて、ないで…、おれ、別れんの…っ、やだぁ…」
俺が悪いのは分かってる。図々しい願いだってのも。けど、けど俺は涼が居なくなんのは耐えられない。
「涼が、居ないと俺…、おれっ…、さむいの、や…っ」
涼にすがり付いて、嫌々と首を振る。
涼にうざいと思われたとしても、俺にはそうすることしかできなかった。
「…えっと、突っ込みたいところが結構あるんだけど…捨てる?別れる?って…どういう事?」
困ったような表情を浮かべ、涼がそう聞いてくる。
どういう事って…。だって涼、俺の事嫌いになったんだろ?なら必然的に別れることになるじゃないか
「え、嫌い…?俺昴流に嫌いって何時言った?」
言ってない、けどボス猿の言うことを肯定したってことはそう言うことだろ。
「俺肯定した?…なんでそう思ったのかわかんねえけど俺昴流のこと嫌いになってねえよ?」
……え…?
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