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「あ、おはよう魔咲、狼じょーー…狼城?!!」
「…あ?」
教室に着くなり吉柳が大声で俺の名前を呼ぶ。恐らくしなくとも怪我のせいだろうがオーバーリアクションじゃねぇか?俺怪我したってちゃんと言ったのに。
「いやいやいや…まさか車椅子で登校してくるとは思わないだろ…。大丈夫、なのか…?」
「見た目よりは」
車椅子だからすげえ重傷そうだけど、折れてんのは2ヶ所だけだし、他のとこは治りかけてるから痛いと言うほどではない。
そう告げると吉柳は、ほ、と胸を撫で下ろし「良かった…」と呟いた。
「に、しても足と手を骨折ってかなりの痛手だな…。移動大変じゃね?主に階段」
「…ん、ああ…」
まあ、色々と不便だな。
家はマンションだからエレベーター使えばなんとかなるけど学校にはねえから誰かに手伝って貰わなきゃ上れない。
車椅子も、片手で動かすには難しく、誰かに押してもらわないといけないし。
歩こうと思えば歩けるけど、壁に体重を預けながらじゃないと出来ない上に、長距離を歩くことは出来ない。
風呂は片手が使えない、ギブスを水につけたらいけない、で頭や体を洗うのが難しくて時間がかかる。最初は兄貴が一緒に入ろうかと言うくらいに苦戦した。
今はちょっと慣れて、最初よりはスムーズにできるようになったけど大変なのに変わりはない。
「だろうな…。足か手のどっちかだけだったら良かったのにな」
本当それ。
「あっ、なあ狼城、してみたいことが有るんだけど良い?」
「…?ああ、好きにしたら…?」
「うわー、ルイちゃん飽きないね、俺にもしたでしょ」
「いやいや、骨折と言えばこれでしょ」
「じゃあ俺もしよーっと」
よくわかんねぇ会話をしてペンを片手に持った2人。待て、なんだそのペンは。
「骨折した後の恒例行事、ギブスの落書き?」
…嘘だろ…?
俺は嫌だからな。
「俺もされたから諦めてー」
や、確かにお前はされてた。けどそれで恒例行事にさせられても困ーー…
「おい?!書くな馬鹿!」
俺を無視して描き始めたそいつら
俺の意思はまさかの完全無視ですか。
結果、俺のギブスは悲惨な姿となりました。
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