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「っぷ、ははっ、はははははっ」
落書きされまくったギブスを見て腹を抱えて笑うそいつ。
殴ってやろうか、1回。
「だって酷すぎんだろ…っ、くく…ッ」
…そこまで笑うことじゃないだろ。俺だって描かれたくてこうなった訳じゃねえんだよ。
「ぶは…っ、なあ、俺も描いていい?」
「はっ?」
何を言い出すんだ。やめろ、描くな。
おい、右手にマジックを持つんじゃねぇよ。
「おい、涼!」
「1つ増えるくらい良いだろ」
「良かねえよ!!」
俺のギブスはキャンパスじゃねぇんだよ。
「ちょ、おい…」
こいつも俺の意思を無視してギブスに描き始めやがった。
こうなったら描き終わるまで大人しくするしかない。変に抵抗したら余計に悲惨な事になる。
「ふふ、でーきた」
マジックに蓋をはめて、満足そうにそう言った。
涼が描いたのは…熊?しかも女子が描くような可愛い絵。意外だと思ったのは涼には秘密。
「でもなぜに熊」
「俺のってマーク?」
「…うえ…?」
「俺って熊なんだろ?」
……そう、だけど。それって、つまり
「ふふ、キスマークの代わり」
…ってことですよね。
「…ギブスにやることかよ」
「だって魔咲と吉柳が描いてんのに俺だけ描いてねえの腹立つ」
「たかがギブスじゃねえか…」
「ギブスでも、だろ」
たかがギブスに独占欲見せんなよ…。
じゃあ嬉しくないのか、と聞かれるとそりゃあ嬉しいけど、ついでにそんな涼が可愛いけど。
けどギブスじゃん?2か月後にはノコギリで切られる運命の奴じゃん?
「…外したくなくなるから止めろよ」
たかがギブスに愛着わいちまうじゃねぇか。
「ふふっ、外さなくて良いんだよ?」
「一生洗えないのは辛いんだけど」
早く外したい。けど外したくない。
…なんて、どうしてくれんだよ。馬鹿。
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