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涼が俺を抱いてたどり着いた先は、今日は誰も来ることのない校舎の、涼の半私物化している理科室。
そこのドアをポケットに入っていた鍵で開けると、実験用の机に俺を座らせ、理科室と繋がっている準備室へと姿を消した。
…どうしよう、怒ってんのかな。怒ってるならどうしたら許してくれる?
頭をフル回転させるが、その答えは俺1人では見つからないまま、涼が準備室から戻ってくる。
「飲んで」
「…ふえ…?」
「だから、飲んで」
渡されたのは水と、カプセルの錠剤。
訳がわからず首をかしげるが、薬の正体は教えてくれない。
飲むのに抵抗があったけど怒ってるかも、と思ったら断ることは出来るのに、俺は得体の知れないそれを水で流し込んでいた。
「飲んだ?」
「あ、あ…」
「ん。じゃあ文化祭の片付け終わったらすぐにここに来て?鍵は開けとくから」
「…わか、った…」
「良い子」
口元に弧を描かせて、俺の頭を撫でた。その手つきはとても優しくて、怒ってるようには感じられない。
「…おこって、ないの…?」
「ん?怒る?何で?」
何でって…。お前が何も言わないから、てっきり怒ってるんだと…。
「いや、怒ってないけど…。照れ屋な昴流が逃げる理由くらい想像できるし?」
「うえ…?」
「ちょーと仕返ししてやろうと思って立ち止まったらしょんぼりして俺にキスして逃げたのを謝って?強制してないのに素直にカプセル飲んで?可愛すぎて今すぐヤりたいくらい。俺ここに来るまで我慢したんだよ?」
じゃあ、黙ってたのって…我慢してたから、なのか…?本当に怒ってないの?
「そう言ってるでしょ。そんなに俺怒ってる顔してた?」
「…サングラス」
「…嗚呼、そういえばつけてたっけ。見えなかったのか。ごめんね」
俺に顔をよく見せるように、サングラスを外す。その表情に怒りが込められているようには見えない。
不思議だな。人の目が見えるか見えないかでこんなにも違うんだから。壁がひとつ無くなっただけで不安な気持ちなんて無くなるんだから。
…が、安心したのもつかの間
「けど、逃げたのは駄目だよな?」
「え、」
「それのお仕置きはきちんとさせてもらうよ、すーばる?」
今度は別の意味で泣きそうになった。
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