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「お疲れー」
「お疲れ様ー」
「ばいばーい」
あの後、1時間ちょっと王様ゲームをしたり歌ったりして、解散することになった。
帰宅、って言いたいところだが何故か打ち上げの途中で涼からメールがあったらしく、そのメールが呼び出しのメールだったので今から涼の家に行かなければならない。
吉柳と愁と別れて、涼の家へ行く道を歩いているとキキィー…ッ、というブレーキ音が隣の道路からした。
「涼…っ?!」
「ふふ、待てれなかったから来ちゃった」
「うわ…っ?!」
その車は馴染みのある白色のそれで、それから降りてきた涼が、俺を担いで助手席に座らせた。
「すーばる」
「何?」
「家に着くまで歌って?」
「…は?」
何を言うかと思えばこれだ。え、歌う?何で?
「吉柳から歌ってる動画貰ったんだよ。ちょー可愛かった」
「そ、そうか…」
俺が歌ってたのを撮られてたことには驚いたが…涼。それ貰ったんじゃなくて脅し…否、突っ込むのは止めよう。
「動画じゃなくて生で昴流の可愛い歌声聞きたいな」
「あ、う…」
「あ、今度カラオケ行けば良いのか。そうしたらずっと昴流の可愛い声聞ける…ふふ、そうしよう」
「えっ」
ずっと…?カラオケは構わないけどつまり、俺ずっと歌うの?お前は歌わないの?待って、それ喉死んじゃう。
「…お前も、歌えよ」
「えー、俺の聞いても面白くないって。…それともそんなに俺のお前へのラブソング聞きたい?」
「…はっ?」
「ふふ、そう言うことならいくらでも歌ってあげる」
「ぁ、ん…、ち、ちが…」
信号が赤になり車を停止させると、俺にキスしてニヤリ、と笑う。
べ、別にお前の歌が聞きたいからって訳で言ったんじゃな…いや、聞きたい。正直言って凄く聞きたいです。
「ふふ、じゃあまた今度行こうな」
「…ん」
「……ん?」
「ふえ…?あぅ…っ」
涼が首を傾げて、急に唇を撫でてきた。何?何かついてた?
「お前、唇ちょっと赤い。舐めた?」
「え、あ…、あー…」
吉柳に拭かれた奴か。そんなに分かりやすかった?
「は?拭かれた?何?そんなに強くされたの?」
「え、あ、や…涼…?」
「昴流の可愛い唇に何してんのあいつ」
ギリ、と歯軋りをさせ、怖いオーラが背後に見え始める。あ、これ吉柳殺される。フォロー入れないと殺される。
「別にあいつも悪気があった訳じゃなくて…されたのには理由があるというか…」
「は?理由?何?」
「…王様ゲーム、で…その…」
「あ?王様ゲーム?」
「…はい」
…怒ってる涼マジで怖い…。背後に鬼が見える。
そこまで刺激させずに…刺激させずに…。
「お、俺命令されて……キスしろって言われて…」
「はあ??」
「ひっ…」
あれ、これ言う順番間違えた?早く釈明しないと、涼もっと不機嫌になっちゃう…。
「で、でも…唇、にはしなかった…本当は唇にだったんだけど俺、嫌で…そしたら吉柳と愁が別のとこでも良いように頼んでくれて…腕、にした…。距離置いて出来るから…」
あ、なんか言い訳してるみたい…。やだな。
もっと、他に良い言い方…。行動でも良い。俺には涼だけなんだってちゃんと伝えないと…。
涼とすんのが1番気持ちいいし、1番好き。愁とは時々するけど、涼とする意味でやってる訳じゃない。"愛し"てやってるのは涼だけだ。
どうすれば、涼に伝わる?
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