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悶々としたものを無理矢理封じ込んで、涼の看病に徹する。
涼と言えばすぐセクハラしてくるから、昨日より元気になってくれてるのは嬉しいけどその封が開きそうになって、必死に閉じての繰り返しで。病人なんだから大人しくしててほしい。
「りょー、晩飯出来たよ」
そのセクハラに頑張って耐えて看病しているといつの間にかもう夜の7時。
晩飯が出来たからそれを盆に載せて寝室に持っていく。
寝室は真っ暗で、涼の返事はない。まだ寝てるのかな。
起こすのも悪いと思って電気はつけずにテーブルに盆を置くと、ベットの縁に座って涼が起きるのを待つことにした。
「…可愛い…。ふふっ」
「ん…」
頭を撫でると気持ち良さそうに擦り寄ってきてくれて、笑みが溢れる。
こうしてよく見てみるとやっぱり涼は整った顔つきをしていて、少し起きている時より幼く見える顔は格好良くて、そして可愛い。
「んん…」
うっすらと開いた唇から漏れる吐息が色っぽくて、ドキドキする。キスしたい…なんて。耐えろ俺の馬鹿。
「…キス、しないの?」
「ひ…っ?!」
気持ちを切り替えようとぺちぺちと自分の頬を叩いていると、急にお腹に手が回ってきて、吃驚して振り返ると、涼が寝たままの状態で俺を抱き締めていた。
「しないの?」
「……す、るわけ…無いだろ…」
「したいって顔してたのに…」
「…っ、!んな顔してねぇよ…っ」
図星。自分の表情なんて鏡見てないから分からないけど、したいって思ってた。
それを言い当てられて、かぁっ、と顔が熱くなっていく。
「ほら昴流。んー」
「…っうぁ、ぁ…」
目を閉じて唇をすぼめて、キスを急かしてくる。
駄目、駄目なのに『キスだけだから』と煩悩に負けそうになっている自分がいる。
「……っ、だめ…」
「んぐ…っ」
「…きす、しない…っ」
唇が後数センチで触れ合いそうな所で、我に返って涼を押し返す。
と、涼の眉間に皺が寄る。
「俺のそんなにキスしたくないの?…移るから?」
「ち、ちが…う…」
したくない訳じゃない。と言うか、寧ろ凄くしたい。移っても良いから涼としたいとか思ってしまったくらい、涼としたい。
「…でも俺が、風邪引いたら涼の看病…出来ない…」
俺は看病する側なのに、される方になったら誰が涼の事看るんだよ。
だから、駄目。涼が元気になるまでは俺が病気になったらいけないから、唇のキスはしない。
「…俺のためなんだ?ふふっ、そう…」
「な、なんだよ…」
「俺のお嫁さんは可愛いなあ、と思って」
「んっ…」
嬉しそうに顔を綻ばせて、俺の右手の甲に唇を落とす。
「熱引いたら一杯キスしようね」
「…っ、うん…」
一杯…。俺ってやっぱり単純だ。
それを聞いたら、我慢できそうな気がしてきた。
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