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「えっ、狼城…えっ?」
「…あ?」
俺が下の名前を言えば、ぽかーん、と琉生が口を開ける。
…何、何だよ…。駄目だったのか?
「駄目だったんなら今までどおーー…どわっ?!」
俺が言い終わるよりも先に抱きつかれ、言葉を遮られた。
俺の背に力強く腕を回す琉生は、どこか嬉しそうだ。
「下の名前で良い」
「…そ、そう…」
「狼城の初名前呼び…彼女に名前呼ばれたレベルで嬉しい」
…彼女って…、大袈裟な奴だな。
「あっ、椿が睨んでる。抱きついて彼女何て言うからー」
「えっは?!ちが、これはそういう意味じゃねえぞ?!!例えだ!」
「いや、俺に言われても」
愁が琉生の大袈裟な例えにけらけらと笑って『椿』という琉生にとっては鬼のような存在らしいその人の名前が出ると、一瞬で俺から離れた。
「違うからな?!別に俺お前の事彼女とか思ってねえからな?!そんくらい嬉しかったってことだからな!!」
「…分かってるから揺らすな…、落ち着け」
愁に説明した次は、ぶんぶんと俺の肩を掴んで前後に揺らし、先の台詞の意味を必死になって俺に言う。
脳が揺れる、酔いそう。
「ルイちゃん、止まらないと椿がーー」
「はい止まります」
凄い、止まったのも一瞬。何か、ロボットみたいで面白いな。
「狼城に名前呼ばれたのが嬉しくて…」
「名前だけでとかルイちゃん女子ー」
「だって名前!なんか、ただの幼馴染みから恋人に格上げされたきぶ…あああ!違う!ただの友人から親友な!」
「お、おう…」
「ぶっ、あははっ!!ひぃ…おっかしー」
自分から地雷を踏んでいってる琉生に、遂に愁が腹を抱えて笑いだす。
一応まだ授業中なんだけど、俺らだけ休み時間状態。
だけど回りも似たような物なのが救いで、そこまで目立ってはいない。
…親友、かあ。親友…。
「親友、かもな」
自分の中で、『友達』よりもそっちの方が不思議なくらいに琉生との関係の名前にぴったりと当てはまって、琉生に肯定すると「ろーじょおおお」とまた抱きついてきた。
先涼が怖いからって離れたのに忙しいやつだな。
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