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「昴流君今日も可愛い…ほっぺぷにぷに…」
「んぅ…」
真さんが小さい子供を可愛がるみたいに、頬をすりすりとしてくる。
真さんと顔を会わせるのは久しぶりだけど、何時も通り元気そうだ。
「姉貴俺に半分荷物押し付けて走っていかな……ワンちゃん!!」
「え、ちょ…っ?!」
遅れてやってきた髪色が派手な少年も真さんと一緒になって抱きついてきて、玄関が狭いわけではないのに俺の周りだけ凄い密度。
俺は一体どうしたら…2人のテンションについていけない…。
「昴流から離れろ、昴流が腐る」
「うわわ…っ?」
わたふたしていると後ろから服を引っ張られて俺を守るようにして抱き締められ、すっぽりと腕の中に体が収まる。
良かった…俺1人じゃあ対応しきれなかったから助かった…。
「知ってる?白色って他の色に染まりやすいだけじゃなくて浄化する力もあるのよ?」
「そうだぞ兄貴、俺らは今浄められてるんだ」
「お前らがそれで浄化されるんなら俺は苦労しねえよ…」
菌みたいに扱われ、「聞き捨てならない」と反論する2人に盛大なため息をする涼。
3人の会話は相変わらず俺には理解できないもので、間に挟まれてる俺の頭の中でハテナマークが飛び交った。
「…嗚呼、糞…何なんだよ…休日くらいゆっくりさせてくれ…」
「じゃあ平日に来れば良かったの?」
「遠回しに来んなって言ってんだよ」
「酷いわー、ねー昴流君?」
「えっ、え…?」
話が耳から耳へ半分以上会話が通り抜けてて、ほぼ3人の話を聞いてなかった所で同意を求められ、困惑。
どうしよう…何て返そう…。
「昴流を困らせんなよ。…ほら昴流こんなわけのわかんねぇ奴等なんか放っておいて戻ろっか」
「えっ…、あ、うん…?」
返事に悩んでいると、くるっ、と体の向きを変えられて押されるがままリビングに戻される。
後ろで2人が文句を言っているのが聞こえたが、それを聞かせないように涼が俺の耳を塞いできて上手く聞き取れない。
「教育に良くないから」と、2人の文句が終わるまでその手が俺の耳から離れることはなかった。
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