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「ごめんねー、昴流君歩きで」
「大丈夫です」
夕方になって雪路、というらしい涼の叔父さんの家に歩きで向かう。
歩きなのは涼が酒を飲んじゃって帰りに運転できないだろうからって理由。
1時間も歩くのは疲れるけど、20分程度歩けば着くらしいから文句を言うほどではない。涼だって飲める時は飲みたいだろうしね。
「本当に俺行って大丈夫なんですか?」
「気にしないでーいつも20人くらい集まるから1人増えたところで誰も気にしないわ。それに言ったでしょ?私達の親や雪路達が昴流君に会いたがってるって」
「あれだよ、兄貴の彼女をお披露目するって奴。『涼を俺にください!』って」
「えっ、く、くださ…っ?!おひろめ…?」
臣の言葉にぼぼぼっ、と顔が赤くなっていく。
意識してなかったけど涼の親に会うってことはそういうことになるの…?東京行ったときは居なかったからあれだったけど会ったら言わないといけないのかな…。
「あ、う…」
「言わなくて良いからな。昴流はずっと俺の膝の上にいたら良い」
「ほ、ほんと…?言わなくで良いの…?で、も挨拶…」
「良い。もしするんだったら俺が間に入るし、そんなに身構えんな」
「…ん、ありがと」
助かる。俺絶対挨拶しろって言われたら、臣が変なこと言うから意識しちゃって空回りする自信がある。
「つか、『ください』は言うとしても俺の台詞じゃね?」
「えっ…あ…」
涼の台詞…。俺も男なんだから言っても変じゃないと思うけど…そうなるのかな?
父さん達に俺を下さいって言う涼…。それを隣で聞いてるのか…。それもそれで恥ずかしいな…。
「言わなくても良い…」
「えー、言わせてよ」
「…お、おれの居ないところでなら…」
「それ意味無くね?」
分かってるけど…、俺その場にいたら頭に血が上って倒れてしまいそう。
自分で言うならここまで恥ずかしいとは思わないのに、受け身になると何故か無理だ。
「もー、昴流は恥ずかしがりなんだから」
「う、うるさい…!」
「ま、そんなとこが可愛いんだけどね」
「えっあ、…や…」
足を止めて俺を抱き寄せ、ぐいっと顎を持ち上げられる。
涼の顔が近づいてくるのがスローモーションのように見え、涼の唇が俺のに触れたときには耳まで熱くなっていた。
こんな道のど真ん中で…!誰かに見られたらどうするんだ。
「かーわい…ここで食べちゃいたい」
「え、やっ、やだ…」
「じゃあ、このままホテル行っちゃう?」
「ぁ…、」
腰に回っていた手に押され、さらに体が密着する。
涼の顔が凄く近くて、見ていられず顔をそらしぎゅっ、と目を閉じて「駄目」と首を振って誘いを断る。
何で今行くの。て言うかそろそろ離して。今は大丈夫だけど人が通ったらどうするんだよ。俺恥ずかしくて暫くこの道歩けない。
「ふふっ…、ぷるぷるして子犬みたい…」
「うう…」
「向こうにはさ夜までに行けば良いから…本当に行かなーー…」
「立ち止まってないで歩きなさいよ馬鹿涼。可愛いけど、もっと見ていたいけど!昴流君ショート寸前よ」
「…邪魔してんじゃねぇよ」
頭がパンクしそうな所で救いの船。
先を行く真さんの一言に涼が俺から離れていく。
ボソボソッと舌打ち混じりに呟かれたそれは、かなりのマジトーンだった。
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