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「ふふっ、私が従姉妹ねえ…」
「…ひゃ、あう…っ?」
「中学の頃不良って聞いてたからどんな子だと思えば…。涼と違って凄く良い子ね?こんな息子が欲しかったわあ」
「んうっ、う……?」
嬉しそうにニコニコと笑いながら涼の後ろにいた俺を抱き寄せてワシャワシャと頭を撫でてくる。
む、息子?息子…不機嫌な涼…。
え、まさか…。
「涼のおかあ、さん?」
「ふふっ、そうよ。初めまして昴流ちゃん?」
そういって微笑む涼のお母さんの顔は、やっぱり涼とどこか似ていた。遺伝って凄い。
「涼ったら酷いのよ?何度も会わせてって言ってるのに会わせてくれないし、去年だって集まるついでに連れてきてって言っても連れてきてくれなかったし…東京に来たときだって態々居ないときを狙ってくるし…」
「そ、そうなんですか…」
涼の方をちらっと見たら「余計なこと言うなよ」って目をしてた。俺に知られたくなかったのかな。
東京に行ったとき涼の親に会わなかったのはそのせいだったのか。…まさか去年も会に招待されてるとは思ってなかったけど。
というか良く1年以上も親から逃げれてたな。逆に凄い。
「…昴流、こっちおいで」
「うわわ…っ」
「あらあら…」
我慢できなくなったのか、俺を涼のお母さんから奪い取って何処にも行かせない、というかのようにお腹をホールドされる。
それを微笑ましそうにクスクスと笑う涼のお母さん。
「随分とまあ可愛くなったこと。…昴流ちゃん、涼をこれからも宜しくね」
「ひゃ…っ」
「…おい」
「ふふっ、昴流ちゃんのほっぺ御馳走様」
ちゅっ、と頬にキスされ、人さし指を当てた唇に意地悪く弧を描かせる。
顔だけじゃなくて、仕草も、笑い方も涼に似ていて、涼にされてるんじゃないのに、変な感じだ。
「後で涼が居ないところで昴流ちゃんとは話すとして…真、臣。荷物持ち手伝いなさい」
「えっ」
「えー…」
「返事は?」
「「はい喜んで」」
「宜しい。…じゃあまたゆっくりと話しましょうね昴流ちゃん」
「は、はい…」
去るときは嵐のように。
クルッ、と体の向きを変えて真さんと臣を捕まえるとスタスタと玄関の方へ行ってしまった。
真さんと臣があんなにすんなり言うことを聞くなんて。やっぱり母親なんだなあ。
「…昴流」
「ん?…っひゃ…っ?!ぁ、ゃ…っん…」
静かになった廊下に2人きりになった所でちゅっちゅっ、となんども涼のお母さんにキスされた方の頬に口づけられ、くすぐったくてブンブンと顔を振ると「ふっ…」と頭上から満足そうな笑い声。
「消毒終わり」
ぺろっ、と上唇を舐める涼は扇情的でそれだけで心臓がドキドキする。
嗚呼、全然違うじゃないか。
これは、涼だけだ。俺に向ける熱っぽい視線も、色っぽい仕草も、それからこの独占欲も。
どんなに似ていても俺に向けられるものは、涼だけの物だ。
「ふふっ…」
「ん?どうした?」
「んー、涼は涼だけだな、って思っただけ」
「何だそれは」
「ひみつ」
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