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日常ってのは、時に突然なんの前触れも無しに変わっていく。
「魔咲ーお前レジして手離せねえ」
「はいはい」
零のファイルを大学に持っていった辺りからか、俺の日常は平和になった。
そう、"平和"に。
零のセクハラが止まったのである。
ラインではハートスタンプばっかり送ってきて、いつでもどこでも飽きずに夜の誘いをして、会えば尻を撫でてくるのを半年以上続けていたあの零が、なにもしなくなったのである。
零にも調子が良いときと悪いときが有るし、会ってもしなかったときは何回か有ったので最初は不思議に思わなかったがこう何日も続くと零じゃない零を見てるような気分になる。
…いや、嬉しい。貞操の警戒をしなくて良くなったんだからそりゃあ嬉しい。俺が望んでた日常だ。平和万歳。
でも、それを素直に喜べない自分がいて、明日には戻っているだろう、とかラインではいつも通りセクハラ発言をしてくるんだろう、とかそういうことばかりが頭を過る。
あんなにうざいと思っていたのに、まるで元に零が戻るのを期待してるみたいで自分が理解できない。
「ゼーロちゃん今客居ないし手伝うよ」
商品の陳列を整えたり、商品数を確認している零の尻をパンッ、と試しに叩いてみる。いつもなら仕返ししてくる筈なんだけど…
「尻叩くなアホ」
「…って」
頭を殴られて終了。
「ゼロちゃん俺ちょっとトイレー」
「言わずにさっさと行ってこい」
「ゼロちゃーん明日バイト遅くまでないから夜暇ー一緒にゲームしない?」
「1人でやってろ」
「ゼロちゃん」
「ゼロちゃーーん」
「ゼーローちゃーん」
その後も何度か色々試してみたけどセクハラに発展することはなく、俺の尻は今日も無事だった。
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