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次に会ったときも、そのまた次も、俺がいくらちょっかいをかけて来ようと零がやり返して来ることはなかった。
諦めた?こんな長い間セクハラし続けた癖に?
お前の友人には、笑いながらやってた癖に?
友人未満?ただのバイトの先輩後輩?
零に俺はどういう風に思われているんだろう。
でも何より、喜ぶどころか、日に日にイライラが増していく自分自身が一番理解できなかった。
ー「愁最近イライラしてるけど大丈夫?」ー
ー「…っせえな。何?俺そんな風に見えんの?」ー
そして、そのイライラを今朝絶対にもう傷つけまいとしたいた親友にぶつけてしまった自分を殴りたい。ついでに昴流のその時の顔で我に返って謝りもしないで逃げてしまった俺も殴りたい。
「ユウ君どうしたの?連絡してきたと思えば会いたい…なんて」
「…大したことじゃない」
連絡先を交換したと言えど、連絡なんてしないだろうと思っていた彼女に電話し、家に呼び出した。
誰かに聞けば、分からない自分の事が分かるかもしれない。気持ちの整理がつくかもしれない。
イライラなんてじきに収まるだろうとそこで済ますことも出来たけど、俺にこの行動を取らせたのは罪悪感からなのかもしれない。
昴流にさんざん鈍い鈍いと言ってきたが、誰かに相談しないとどうしようもできないなんて、自分だって人の事を言えない。
「…知人の態度が急に変わってすげえムシャクシャしてんだよ。変わる前まではうぜえ、って思ってたのにな。自分でも良く分かんねえ」
呼んだは良いものの、どう相談すれば良いのか、零の名前を伏せるべきか、事を詳しく説明すべきか等と頭の中で言うことを纏めてからそう言った。
「ムシャクシャ?」
「…嗚呼、そいつには自惚れじゃあないけど少なからず好かれていたと思う」
俺を2度も助けてくれた零は、「興味のない奴を助けるわけないだろ」…みたいなこと言ってたし、嫌われてはないと思う。つか嫌ってたらあんなに触ってくるどころか話しかけることすらしないだろ、普通。
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