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「吉柳お前さ、何?何で止めに入ってお前も入って来てんの?意思薄弱かよ。化学単位落とすぞ」
「ひぃっ?!ご、ごめんなさい!!」
昼休憩。最近では琉生もそこに加わり、4人で食べるのが日課になった。
愁と涼が喧嘩して、琉生は涼にずっと謝って。
そのやり取りは何度見ても飽きない。
「頼むから俺の授業だけはまともにしてくれ。俺が楽ならそれで良いんだ、俺が。後は知らねぇ」
「椿せんせーい、それもそれで…」
「あ?単位落とすぞ」
「発言の権利すらない?!」
…まあ、琉生に関しては少し可哀想な気もしなくは無いけど……2人の間で上下関係が見える。
「魔咲、お前の場合まじであの菓子袋どうにかしてくれ…菓子見えないようにしとくだけで良いから。何回かそれが会議の話題に上がっててだな…俺が面倒だ」
「涼最後のなかったらいい教師って感じだった」
「んじゃ、最後の取り消し」
「俺と昴流でのこの温度差!」
「何か言った?単位落とすぞ」
「先からそればっかなんだけど!」
涼が言うと冗談に聞こえないのが逆に凄い。本当にしそうだから俺も何も言うことができない。
何も言わないで眺めてるのはあれだと思って必死に涼に謝ってる琉生の頭をポンポンと撫でた。
あれ、これ止め刺しちゃってる?
「…まあ冗談はここまでにして、だ。菓子は気を付けろよ。没収されても知らねぇぞ」
「お前の授業以外ならねー」
「いや、俺の授業を優先しろ。俺に面倒事を持ってくんな」
涼、先から教師ならざる台詞ばっか言ってるぞ。教師ってこんな感じで良いのか…?
いや、どう考えても駄目だよな…?…嗚呼、分からなくなってきた。涼らしくて良いってことにしておこう。
「ん、御馳走様。今日も美味かった」
「え、あ…もう食べたの?」
「今日3年が昼来るって言っててさ、ほら受験?これから教えないといけなくて」
「嗚呼…」
パン、と律儀にも合掌して、片付けた弁当箱を俺に渡すと涼が立ち上がった。
楽したいって言いながらこういうところはちゃんと教師なんだよなあ…。
「本音昴流といる時間減らすんじゃねぇよって感じだけどね」
…って言わなかったら決まってたのに。
「んじゃあな昴流」
「…頑張ってね」
「ふっ…嗚呼。んじゃお前ら始業遅れんなよー。俺に面倒事持って来たら下僕の単位落としてやるから」
「下僕?!!!俺の認識下僕なの?!え、ちょ待って俺だけ?!!落とされんの俺だけなの?!ちょ、まっ、椿せんせーーい!!!」
その返事が返ってくることは無く、ピシャリとドアが閉まり、俺達3人だけになる。
琉生は終始涼の下僕であった。
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