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L.H.R.に配られた紙を見てると、もう2年も終わりかって実感させられる。
「締切は来週の月曜日です。それまでに提出するように」
進路希望調査。
そう、全く今まで考えてこなかったそれである。
第3希望まで書けるようになってて、この時間はその進路について調べる時間で今、コンピューター室。
周りが思い思いに調べていく中、全く手を動かせない俺。
どういう事を調べたら良いのか分からなかった。
思えば、俺の意思でこう言うことを決めようと思ったことはなかった気がする。
小学校は普通に地元。
中学は受験したけれど、俺自身がそこに入りたかった訳じゃなくて、受験した理由は兄さんがいた学校だったから。
高校は兄貴に言われなかったら入らずに適当に仕事を見つけるつもりだった。兄貴がそう言うならとこの高校に受験したが、ただ偏差値がここらでは高い方の割には学費が安かったからここを選んだだけ。
改めて考えてみると、自分が何をしたいのか分からない。興味のある学校どころか学部すらない。模試なんて今まで真面目に受けたことなんて無いから俺がどのレベルにいるのかすらわがんねぇし。
…なら、進学なんてしなくて働いた方が良いんじゃないだろうか。
でも、実際その選択で良いんだろうか。兄貴は中々仕事を見つけれなかったらしいし、兄貴に迷惑かけるわけにもいかないから、そうなるくらいなら進学した方が良いかもしれない。
でも、やりたいことがないのに行ったってお金の無駄じゃないのか。
その無限ループで、調べるどころかその2択ですらまともに決めれない。
あれ、俺ってこんな無欲だったっけ。
おかしい。だって俺、一杯望んだこと有った筈なのに。ちゃんと欲は持ってる筈なのに、頭ん中真っ白だ。
結局この時間は何も自分のやりたいことが思い付かなくて、白紙のそれをくしゃりとポケットの中に突っ込んだ。
家に帰ってから広げるも、やっぱり分からなくて、1日、そしてまた1日と何も書けずに時間が過ぎていった。
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