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女の人4人に囲まれて着せ替え人形にされて2時間。女の人の買い物って怖いと実感する。
1時間経っても服のコーディネート候補が無くならないのは流石に恐怖を感じた。
比較するために同じのをまた着せられ、そしてまた別のを着せられ……を繰り返し見事に絞れた2種類のコーディネート。
これ以上は絞れないので徳井さんに両方払わすとか言ってた。…それは悪いんですけど…。
それにこれ、服だけじゃなくて靴とかアクセサリーも一緒になってるから絶対高いんじゃ…。
「良いのよ、店長の財布だから」
「ひどー…容赦ない」
「あの俺やっぱコンビニでお金下ろして…」
「良いよ良いよー俺からのプレゼント。お金は次からしか受け付けませーん」
「でも…」
「ぜっったい受け付けませーーん」
胸の前で手をばってんにしてしてそう言われ、申し訳ないと思ったけれどお言葉に甘えて奢ってもらうことにした。
「昴流君また来てね~」
「次は彼氏と一緒にね」
「は、はい…ありがとうございました」
彼が店長だからこういうのも変だけど、徳井さんに買もらった服や靴を詰められた大きい袋を受け取って女性店員の皆さんに1度頭を下げて外に出る
もう正直に言ったらマシンガントークが怖いから行きたいとは思わないけど…涼がこの服気に入ってくれたら行こうかな。
「ごめんねー昴流君。騒がしい店員しかいなくて」
「…い、いえ…大丈夫です」
そう思うなら助けてくれよ、と思ったが彼も彼で仕事が有ったのだろうと言いたい気持ちをぐ、と堪えた。それに、彼女達だって悪気があったわけじゃない。それはちゃんと分かってる。
「今度来たときは隣の店も見てあげて」
「行きません」
「その気になるかもしれないじゃん」
「ならないです絶対」
「椿ああいうの好きかもよ?」
「……う、は、穿きませんってば」
涼が好きなら…とか一瞬思っちゃったけど、駄目だ。流されないぞ。俺は穿かない。
これ穿くくらいならキツくても、面積がどんなに小さくても涼が買ってきたあの下着を穿く。
だっておかしいだろ。この下着。
ら、ランジェリーだっけ?これどんだけひらひらついてんの…?
「俺も中見たことあるけどそこまでレースついてないのもあったぞ」
そ、それなら……あああ、駄目だ。流されるな俺。
よし、この話は終わりにしよう。それが1番良い。
「徳井さん…っ!じゃあ、ありがとうございました」
「ぶ…っ、うんばいばーい。椿の度肝抜いてやれよ」
逃げるように店の前まで見送ってくれた徳井さんにも深く頭を下げて別れを告げ、そそくさと元来た道を歩く。
明るい内に帰れる予定だったのにもうすでに日は落ちかけていた。
再来週は涼と過ごす2回目のクリスマスだ。
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