アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
カフェから出て、街をブラブラと2人で歩く。
たまたま本屋の前を通り、涼が新しい本を買いたいようなので、特にいく場所は決めてないから寄ることにした。
本屋なんて来たの何回目だろ。指で数えれる程度しか言ったことがない気がする。父さんの書斎に本が一杯あるから小学生の時はその本を読んで、中学生の時は全く本なんて読んでなかった。愁が貸してくれる漫画を読むだけだったかな。…本屋じゃなくて本自体が懐かしい。
「すーばる、何か良いのあった?」
「…っひゃあ?!」
「あはは、ごめんごめん」
涼が目当ての本を探している間、適当に本棚から本を抜いて見てると急に尻をわし掴みにされて、驚いて後ろを振り返る。…そんなことやってくんのはまあ、涼しかいないんだけど。
「何?それ」
「…父さんの、部屋にあったやつ」
「…英語?『othello』…嗚呼、シェイクスピアか。…読めんの?」
「そこまで古い英語じゃねぇから…昔読めてたし多分読める」
でも、完全に今の英語と一緒って訳じゃないから分からないところも少なからず出てくるけど、そこは辞書引いたり調べたりしたら読めるかな。
「涼は英語できるの?」
「俺?…ふふっ、どうだろーね」
「む…」
「あいらぶゆー昴流~」
わざとらしいほどに片言。
兄さんと同じ学校だったんだし…完璧に、ではなくてもきっと少しは喋れる筈…
「本決まった?」
「ん…オセローにする」
「おっけ」
「あ…俺自分で…」
「良いの良いの」
俺が本を決めるとその本をひょい、と横から取って涼が買う本の上に重ねる。
そしてそのままレジの方へ。
いつも奢って貰ってばっかだから流石に悪いと思ってお金後で返すって言っても「俺が買ってあげたいのー」って言って断られた。曰く彼女は彼氏に甘えるべき…らしい。俺女じゃないんだけどなあ…。
「…ありがと」
「ふふっ、お礼は昴流からのキスで良いよ」
「え、な…っ」
「もちろん唇にね。楽しみだなあ…」
まだ良いよなんて言ってないのに帰ってからのことを想像してか上機嫌になる。
…まあ、でもキスくらい良いか。うん、帰ったら一杯してあげよう。今までの分も一緒に。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
491 / 1113