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「…っ、あつ…」
チン、とトースター特有の焼けた合図が鳴り、パンを皿に移す。
焼けたばかりなんだから熱くない訳がなく、パンの熱に直に触れた指を涼がペロリと舐めた。
無意識なんだろうがそれがやけにエロかった。
嗚呼、涼。お願いだから色気をしまって。
「昴流ーマーガリン?ジャム?」
「マーガリン」
「ふふ、はーい」
パンを乗っけた皿と、マーガリン。それから珈琲の入ったコップを持って涼が戻ってくる。
朝…否昼?のテレビ番組を見ながらマーガリンを塗ったパンをかじる。
「…あ、昴流。忘れてた」
「ふえ…?」
「昨日渡すつもりだったんだけど、えーっと…どこに置いたっけ…」
パンを食べていると急に涼が立ち上がって、寝室の方へ行き、昨日出掛けるときに持ってた鞄を持ってきて漁り出す。
それを横で見ていると「あった」とお目当てのものを取り出した。
それは、大きい熊のキーホルダ
「…鍵?」
…が、ついてる鍵。
「俺の家の合鍵」
「…え」
「今まで渡してなかったなと思って…っうわ」
合鍵。涼の家の鍵。つまり、それを俺にくれるってことでいつでも好きなときに来て良いって許可をもらえたみたいでどうしようもなく嬉しい気持ちを涼に抱き着いて仕草で表した。
「おれ、大切にする…っ」
「ふふっ、嬉しそうにして可愛いなあ…いつでも夜這いしに来てね」
「よ、よよよば…」
投下された爆弾がぼひゅんと頭の中で爆発する。
それはその、俺が涼の寝込みを襲…って……。
「馬鹿じゃないの!!し、しないし…!」
「顔真っ赤でかわい~想像しちゃった?」
「うるさい!ばか!ばか!!」
「照れたら馬鹿しか言えなくなる昴流可愛すぎ着メロにして良い?録音するからもう1回」
「~っ、すんな!」
「…あ、取られちゃった」
携帯を取り出して録音のアプリを探し始め、本当に録音する気らしい涼から、携帯を取り上げてしっかりと両手で握りしめる。
暫くこれは涼に渡ったら駄目だ。
「昴流~録音できないから返してー」
「しなくて良い!没収…!」
「そんなー…けち」
「ひゃんっ?!」
「録ーりーたーいー」
「だ、だめ…!」
涼が横から抱き着いてきて、ふうっ、と耳に息を吹き掛けてくる。俺が吃驚しているうちに携帯を取り返そうとし、咄嗟に背後に隠した。
それから何分、何十分か分からないけど珈琲が冷めてしまうまでその攻防は続いた。
因みに結果は俺が負けて涼に携帯を返した。録音はさせなかったけど。
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