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初詣といったらお参り。人が沢山並んでて20分近く待った。
参拝し終わるとこれまた定番のおみくじ。
…俺は初めてするからちょっと楽しみでもある。
「ルウちゃん何だった?俺吉~」
「んー、今からする」
俺と涼以外の人は引き終わったみたいで互いに見せ合ってる。
愁と兄貴は吉、琉生と真さんは小吉。臣が大吉。凶より下は今はまだ出ていない
何出るかなあ、と思いながら涼と同時におみくじを引き出して、広げる。
「俺『末吉』」
「…『凶』」
初のおみくじがまさかの凶。
まだ何吉でも良いから『吉』がついててくれた方が良かった。
「昴流俺のおみくじと交換する?」
「流星さん、引いた後なんで無意味ですよ」
「…ほら悪いやつって少ないから逆に運が良いって言うだろ?」
「そうそう、だからしょげないで?」
「昴流ちゃん、悪かったら枝に結べば良いんだよ」
結果に落ち込んでると皆が慌てて俺を慰めてくれる。俺だけ凶…吉じゃない…。
「昴流、結果じゃなくて和歌読んでみ」
「和歌…?」
「そ。なんか割と重要らしい?」
「そうなんだ……」
見てみると確かにあった。俺おみくじあんましないから今年が幸か不幸か診断程度にしか思ってなかったけどアドバイスとかもあるっぽい。涼に言われて結果の下にあった和歌を読んでみる。
要約すれば『今までのことを反省すること・注意を怠らないこと。それらをしなければ災いが振りかかる』…って感じのもの?
今までこと……ってのは、まぁ普通に考えて生まれてから今までの自分を振り返ってみなさいよってこと?災いってなんだろ不注意だから事故?
「やっぱおみくじって当たるとこあるわよね~」
「昴流ちゃんちょっとぽけーってしてることろあるもんね」
それはつまり俺が注意散漫ってことか…??俺おみくじで注意されないといけないくらいボーッとしてるかなあ…。……ま、まぁぼけーっとしないよう気を付けてはみるか。
「えっと、結べば良いんだっけ?」
「昴流の場合戒めで持ってた方が良いかもな」
「戒め?」
「まあ、お守り……みたいな」
へー、おみくじってそういう風にも使えるのか。何で結んでるんだって思ってたけどそれもそれで涼が言うには意味があるらしいし。おみくじって面白い。多分来年には覚えてないけど。
「涼のは何て書いてたの?」
「ん?どんなことがあっても昴流を愛し抜きなさい…的なこと?」
「本当に?」
「マジで」
へー、俺とはアドバイスのジャンルがちょっと違う。おみくじって恋愛相談かなんかなの?他のおみくじに何書いてんのか気になってくる。
「そんなこと書かれなくても俺が昴流に飽きることなんてないのにな」
「う……」
「だーいすき」
涼は折り目に沿って綺麗におみくじを折り直すと、それをポケットに突っ込んで俺を抱き締め耳元で愛の言葉を囁いてくる。……まあ、確かに涼にはあんまり意味ない注意かもな。
「こらそこ抱き合わない」
「目立ってるよ〜……2人の世界から戻ってきて〜……!」
「姉貴~カメラある?」
「もちのろん」
「あっ、その写真俺にもくれません?」
それを見て頭を抱え切実な思いを口にする琉生に、棒読みの注意をして焼きそばを食べる愁。
それからいつの間にか仲良くなってる3人は俺らの写真を撮って交換しあってた。
…目立つのは俺等のせいだけではないと思う。絶対。
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