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1人で待つのは寝てしまいそうだから大部屋に戻ることにした。
新しいDVDを見始めたと言っても今度はホラーではなく、SF。これなら俺も見れる。
「真ちゃーん…寒いから服返して」
「流星さん理想的な筋肉してるんですよね。ということでもう少しだけお願いします。これで終わりなので」
「彗もそれなりについてるからさあ…」
「や、流星さんの筋肉本当理想的なんですって。バランスが…!」
皆がテレビを見てる中、兄貴は真さんに寝間着用のパーカーを脱がされポーズを指定され真さんがそれをクロッキーに描いていく…そんな事を隅の方でやっていた。俺が向こうの部屋に居たときもしていたらしい。
何でも、人形見ても描きにくいポーズがある上に、理想の筋肉のつき方をした人が見つからなくて頭を抱えてたらしい。
そこで兄貴登場。人形じゃないからその分ポーズのデッサンもやり易い。 しかもほどよい筋肉で一石二鳥…って訳だ。
「…まあ左肩のは驚きましたけど」
「…はは」
左肩。それが意味するのは青い龍…即ち刺青。
高校の時、兄貴が知り合いの彫り師にいれてもらったそれ。
彫り方はよくドラマとかで見る、皆が連想するような和彫ではなく、ウォーター。名前の通り水彩みたいな綺麗な色が特徴的な刺青だ。
刺青が趣味のひとつだったってのもあるが、兄貴がいれた理由はそれだけじゃなくて…曰肩に傷を負ってその傷が大きい訳ではないけど単体だと逆に目立ちすぎるから刺青でカバーしたらしい。その怪我の話は俺も詳しくは聞いてないからよくは知らない。
「似合ってるのが悔しいですね」
「本当?」
「はい、嫌悪は抱きません」
「それは良かった」
「あ、動かないでください」
「む…」
ちょっと動けばポーズを直し、また描いての繰り返し。
同じ体制で疲れてきたのか兄貴の体が時々プルプルと震える。
「真ちゃん…彗じゃ駄目なの?」
「だから流星さんが1番良い体してるんですよ私の基準で」
「…昴流助けて。俺体固まっちゃいそう」
この短時間でかなり仲良くなったようで『さん』から『ちゃん』に変わってるのはさておいて。
長時間もきつい上にずっと同じ体勢を強いられている兄貴の体は限界らしく、指がピクピクと震えてる。
…助けてと言われても真さんも真剣に描いてるし邪魔はできない。ごめんなさい。
「昴流!昴流描けば良いじゃん…」
「昴流君は後で…ですかね」
「えっ」
俺も描かれんの?!
ちょっと兄貴変なこと言わないでよ。言わなかったらそうじゃなかったかもしれないじゃん。
キッ、と兄貴を睨むと助けてくれたかった仕返しだとでも言いたいのか唇を『う』の形に突き出して、プイ、とそっぽを向く。
「もう、流星さんー」
「顔くらい良いじゃん?!!」
「今首辺りかいてるんで動かれたら困ります」
「……はい」
「昴流君支えててくれない?」
「あ…うん」
しゅん、となって頭の方角を元に戻す。
俺も真さんのお手伝いに任命され、今にも落ちてしまいそうな兄貴の腕を支えてあげる。
「…よし、描けた。ありがとうございました~」
「楽だって言うからしたのに…キツかった…」
「ははー、ごめんなさい?…さて次は昴流君ね」
「えっ」
「昴流君もって言ったでしょ?」
「…えっとー俺の体で不可能なポーズは」
「しないから大丈夫よ」
……じゃあ、やってあげても良いか。
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