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某日。休み時間に本を読んでいたらそいつはいきなり俺に泣きついてきた。
「助けてぇぇろおおじょおおぉ…!!」
「……はい?」
問題集片手に泣きついてきたその人。何でこの人が2年の教室に来たのか謎。
「どうしたの水瀬さん」
「受験勉強詰んだぁぁあ…センターやべぇよぉぉ」
「ええ…」
水瀬智輝。琉生の部活と同じバスケ部で、今年の俺の体育祭のブロックのブロック長だった人。それと、桐華さんと晴れてクリスマスに恋人になった人。
何で俺は、1学年上の人に勉強のことで泣きつかれているんだろう。俺教えるの無理じゃね?
「桐華がさあ、お前英語得意って言うからさあぁ…」
「とーかさんに聞けば良いのに」
「他のは聞いてんだけど英語だけは良い教え方が見つからないって匙投げられてー、本当さあ、ヤバイんだってもうすぐでセンターなんだってえぇ」
「…うん」
そうだね。もう1ヶ月もないな。つか、2週間?もしかしたら2週間もない。受験生じゃないし正確な日にちは把握してないけど、確かそん位だった筈。
でも何で俺なんだろ。センター対策の英語の教え方とか分からないよ?
「センターの問題は有るから解き方を教えて主に長文」
「長文に解き方なんて無いと思うけど…基本書いてることそのまま聞かれて…」
「あー!そう言うこと言うんだ!英語出来る奴全員そう言うんだよなー!天才滅べ!!」
「…ええ…」
何で俺は解き方教えてと言われてそれに答えただけでこんなに言われないといけないんだろ。
だって英語って言葉じゃん。暗号じゃないんだから解き方なんて…なくね?
「…昴流、英語出来ない奴はそれ以前の問題なんだよ」
「琉生お前良く分かってる。流石馬鹿代表」
「先輩もそんなもんですよね…?!!」
琉生と水瀬さんが意気投合してる。
…そうか、英語が出来なかったら読むことがまず出来ないのか…。
「英語出来る奴ってどうやって英文読んでんの?別の目で読んでんの??」
「3つ目の目は無いけど…。英語は英語として読めば…」
「英語としてって何?!それ日本語になら無いじゃん?!理解できないじゃん?!」
「や…感覚としての話で。日本語だと思って読むから分からないんじゃ…」
「だって日本語で聞かれてんじゃん!!俺等ジパングじゃん!!!ジパング万歳!」
…うん、そうなんだけどさ。だから感覚の話だって。
母国語と外国語は別物で、母国語になるように無理矢理読もうとするから分からなくなるんじゃ…と思ったんだが、俺のこの感覚をどう説明したら良いんだろう。
「…えっと、単語の方は」
「それは、分かる。文法が主に分からん。関係代名詞辺りで俺の時間は止まった」
「分かる。あれ何語」
「かんけー…?何それ」
「嗚呼、ルウちゃん文法とかそう言うの意識してないんで言っても分からないと思いますよ」
「天才かよおお…!!!」
えっ、英語に文法ってあんの?あ、古典とかそんな感じ?
英語の授業で説明してたのもしかして文法…?俺逆にあれ何言ってんのか理解できなくていつも寝てたんだよなぁ…。
俺、教えれんの?これ。
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