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夕方。水瀬さんが言っていた試験が終わる時間になったので試験会場に向かおうと身支度を済ましていく。
今日の服は愁が選んでくれたやつ。毎日涼が選んでくれたのを着てるわけじゃない。ずっと着てたらよれちゃうし、それは勿体無い。
「お、お兄ちゃんが送っててあげようか…?会場遠かっただろ?暗いよ?大丈夫?」
「兄貴の運転の方が怖いから歩いて行く」
「昴流〜…」
兄貴の運転ってマジで怖いんだって。助手席に座る時生きた心地しねぇもん。
スピード出しまくるわ、カーブの時もあんまスピード落とさないわ。黒に近いグレーの運転。今までそれで何か警察に言われたことは無いらしいが、ただ運が良かっただけだと思う。
「あ…じゃあお兄ちゃんのバイクで…」
「俺免許持ってないんだけど」
「俺が高校生の頃は無免許のやつなんて大量にいたけどな。案外バレねぇもんだぞ」
俺バイク運転したのが理由で捕まりたくないから遠慮しとくね。
乗り方も分からないし。あ、でも愁の後ろに乗ったことはある。車と違ってシートベルト無いからちょっと怖かった記憶がある。
俺車もバイクも将来運転しないんだろうなあ…。
「大丈夫だって、兄貴晩飯の時間までには帰るから。今日は何がいー?」
「ハンバーグ」
「はいはいデミグラスね。分かった」
じゃあ今日はそれプラスサラダとパンだな、とある程度必要な食材が頭の中で整理されたところで玄関に行きブーツを履く。
「行ってくるね兄貴」
「防犯ブザー要るか…?」
「だから、大丈夫だってば」
何故に防犯ブザー。俺小学生かよ。
日が落ちるのが早いって言っても8時前には絶対帰ってくるから大丈夫だっての。そりゃあ小学生には8時も危ない時間が知れないけどさ。俺高校生だし。
「…行ってらっしゃい昴流」
「んー…っ、ふふ…、行ってきます」
まだ不安が残るようなそんな表情を浮かべながら俺を抱き締め、頬を擦り合わせる。
本当に心配性だなこの人。そりゃあ、うん。帰りに襲われたことあるから絶対そう言うのが無いとは言い切れない。それで兄貴が心配してんのも分かる。1年の頃のあれの直後は自分がバイト終わったら迎えに行くと聞かなかったくらいだ。
…でも、なぁ…。そんな毎日毎日襲われる訳じゃないんだからそんなに心配しなくても良いのに。
嗚呼、心配されるのがうざいって訳じゃなくて。一応俺もう17で、だから小学生を心配するレベルで心配するのは心配し過ぎだろって…話?
まあ、そん位大事に思ってくれているのは嬉しいんだけどな。
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