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放課後、涼に理科室に呼び出された。
用件は…まあ、あれだろう。テストのこと。
案の定、見せてと言われたその結果が書かれた紙。それを鞄の中から出して涼に渡す。
「頑張ったな。良い子」
「んぅ…」
結果を見て、涼の口元に弧が描かれ、俺の頭を撫でる。
「お前の場合授業真面目に受けたらもっと取れそうだな。こん位なら国公立も余裕だろ」
「……んー…」
そっか、そろそろ本格的に決めないとまずいんだよな。センター入試はまだだけど、申し込みはそれよりも早い。
でも俺結局あれから良い大学なんて1つも見つけれてない。進路決めんの急いだ方が良いのかな。
「それはゆっくりってことで。気になる学部あったら教えて。どちらかと言えばこの科目が得意ってのがあったらそれに関係するとこの学部があるとこの持ってくるから。…決める時間はまだあるから大丈夫」
「…ん」
「…ま、大学の話はここまでにして…」
「ひゃっ?!」
「ご褒美、あげないとな」
抱き上げられて涼と向き合うように膝の上に座らせられる。
ご褒美…こいつから言われるご褒美と言われたら嫌な予感しかしない。だって…なあ…。うん。あれだったじゃん、前。
「…え、えっちな…奴は嫌だからな」
「…もう、俺がいつもそんなことばっか思ってるって思ってんの?」
え、逆に聞くけどそうじゃなかったの。俺涼の台詞で聞いたことあんの大半が変態チックなものだったと思うからそういう方向に今回も走るのかと…。
そう言われると思ってなくて逆に吃驚なんだけど。てっきりそうなんだと思ってたのに違うの?
「…んんん…まあ、否定はしないけど」
「しないのかよ」
「…だって昴流あんまり欲しいの俺に言わないんだもん」
俺は悪くないとでも言うかのように、唇をとぎらせる。
そんなことしても可愛くな…可愛いけどさ。
欲しいものって言われてもなあ…俺お前から何かもらおうとか考えたこと無い。って言うか、そこまでして欲しいものなんて無いって言うか。
必要だと思えば自分で買うし…。
「…じゃあ、傍にいて」
「前もそれだったじゃん」
む…。そうだけどさ、それ以外思い付かねぇよ欲しいの。
「俺お前といるだけでしあわ、せ…だから…」
「あああ…もー…何でそう言うこと言っちゃうかなあお前」
「え、駄目?…ならご褒美?なくて良いから気にしないで…っひゃ?!」
「可愛過ぎ。一杯可愛がってあげる」
ぎゅうぎゅうと力強く、けれど嬉しそうに俺を抱き締める。
苦しい、お腹苦しい。絞まるってるから。内臓出そう。
「泊まるのはいつもと同じだから、そうだな…。ちょっと遠い所にデートしに行こっか」
「!ん…!」
「キラキラして可愛過ぎかよ」
デート。いつもは地元をぶらぶら回るだけだけど、行ったことがない所。
涼といれるだけでも嬉しいのに、最終的にはそれ以上のものをくれる。
そこまで欲しいものは無いのに、涼にもらうものは全部、これだって俺の中で当てはまる。
俺はきっと、涼がくれるものなら全部欲しいんだと思う。
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