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夜が訪れ、現在俺がいるのは涼の家。今日の希望であるのもあるし、俺が1番に誕生日を祝いたいから今日は泊まりだ。
晩飯を一緒に食べて、風呂も一緒に入って。いつ眠たくなっても大丈夫な状態になった所で、今は明日の弁当のおかずを作り中。
出張だから弁当箱は洗えないし、捨てれる奴をここにくる前に買ってきたから、朝に作ったのを詰めるつもり。
「すーばる。明日何?」
皮で具をくるくると巻いている時に涼が抱きついて後ろから覗いてくる。
その質問に「春巻」とメインになる、今作ってるものの名前を答える。
「弁当箱使い捨てだから煮物とか、汁出るの無理だけど」
「十分」
本当は寒いし、温かいの食べて欲しいからロールキャベツとか、シチューとかにしたかったんだけどね。そうなったら使い捨てだったら漏れちゃうし…。だからこれはまた今度。
「何か欲しいのある?肉多めが良いとか」
「んー……、じゃあ昴流を詰めて欲しいな」
「それは物理的に無理だと思う」
俺そんなミニサイズじゃない。俺が収まる弁当箱はないからそれは諦めて。つか俺まず明日学校あるし。ついて行けないよ。
「残念。…あ、卵焼き入れて。昴流の好き」
「ん」
卵焼きは…明日作れば良いか。あれ位なら直ぐ作れる。
涼に食べたいのを聞いて、買っていた食材と相談しながら、明日のおかずを決めて今日作る分はパッパと作っていく。
作り終わったら作ったのを全部冷蔵庫に入れて、使った調理器具は食洗機に突っ込んでスタートボタンを押して、料理は終わり。
後は明日の朝バタついちゃうから今日の分の洗濯を夜の間にして、風呂の掃除をしたら家事は全部終わり。そうしたら涼と寝る。
「俺が風呂は掃除するから昴流は洗濯機掛けんのお願い。お嫁さんの手が荒れちゃう仕事は俺がする」
「水荒れしたことないけど…」
「だーめ。あ、ハンドクリーム持ってくるからちゃんと付けて」
「あれ付けたらツルツルするからやだ」
「昴流の綺麗で可愛い手が荒れるのは駄目だから付けて」
そう言い、寝室から持ってきたハンドクリームを涼が俺の手に塗り込んでいく。
俺手が乾燥とかしたことないし、家事してて荒れたことないからクリーム付けなくても大丈夫だと思うんだけどなぁ…。
俺に付けないと駄目だと言った理由が俺の嫁なんだから、とか可愛い手、綺麗な手だからと言うのは涼らしいというか何と言うか。
涼は自分から必要最低限以外の家事をしようとしないってだけで飯を作ってる時とか、洗濯物を干すときとか、結構手伝ってくれる。
きっと、女視点で見たらプラスポイントがそこら中に散らばってるんだろうな。
実際涼変態だけど優しいし。
「昴流大丈夫?夜かなり冷え込むらしいけど…毛布もっといる?」
「平気」
そんなハイスペックな涼が手伝ってくれたお陰で早めに家事が終わって、寝床につく。
外気で冷たくなった布団にぶるりと体を震わし縮こまると涼の手がつい先電源を入れたエアコンのリモコンへと伸び、設定を弄る。
布団の上から被せられた毛布の上にもう1枚掛ける毛布を持ってこようと立ち上がろうとする涼の腕を引っ張って、ぎゅうう、と横から抱き締めた。
「りょーが、温かいから…いらない」
「…昴流さんそこでそれは反則でしょ」
「…?…っきゃ?!」
すりすりと涼の胸元に顔を埋めたら何故かいきなりさん付けで呼ばれ、溜息を吐かれる。
涼の言っていることが分からず頭に沢山のクエスチョンマークを浮かばせていると、涼が力一杯に俺を抱き締めてきた。
ちょっと顔、顔。
涼の胸に顔が埋まって苦しく、首の向きをモゾモゾと変える。
密着しているから服の上からでも分かる涼の温もりと、それから涼の服や、ベットのシーツ。それから布団、毛布。俺を包み込む涼の匂い。
それが睡眠薬みたいに俺に眠気をつれてきて、次第に瞼が重たくなっていく。
「りょ、お…」
「ん?…嗚呼…、眠たい?」
「んにゃぅ…」
涼の腕の中でうとうととしていると、それに気付いた涼がつむじ辺りに唇を落とし、トントンと子供を寝付かせるように背を叩いた。
「…っふふ、お休み昴流」
「ん…おやすみ…」
背を叩かれる規則的なリズムが心地良く、睡魔は増す。
襲ってくる眠気に抗うことは出来ず、重い瞼はついには閉じてしまい、そこで意識を手放した。
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