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「とりあえずちょっと昴流待って」と愛犬に対して『待て』するように言われ、言われた通りに聞きたいことは色々あったけど涼の次の発言を大人しく待つ。
「昴流…やっばい…勃ちかけた」
「ふぇ…っ?」
「朝から可愛いし、否常に可愛いけど一段と可愛い。健気オーラ全開だし、天使の羽が見えるし。こんな可愛いことされて嫌って思うとか頭おかしいだろ。抱きたい…」
「え、え…っ??」
そうして数分。固まってしまった涼がボソボソと呟いたそれに今度は別の意味で混乱する。
それは、どう言う意味なんだろう。喜んでくれたってことかな。
「昴流、1回だけシよ?」
「へ…?…ぁ、や…っ」
「こんな可愛い昴流を前にして食べないわけにはいかないよな」
うずくまっていた涼が立ち上がり、するりと俺の腰に手を回して抱き寄せる。
その手は俺の尻の方へ行き、もにゅもにゅと揉みしだかれた。
「…んゃ…っ、りょぉ…しご、と遅れちゃ…」
「あー…、良いよ。ちょっと早めに行こうとしてたし、20分位なら余裕ある」
「だ、だめ…っ」
手際よく俺のズボンを脱がせようとする涼の腕を掴んで止める。今回ばかりは流されちゃあ駄目だ。
理解するのに時間が掛かったが恐らく、涼は喜んでくれたのだろう。
涼がそう言う方に朝から行っちゃう程喜んでくれたのだと思ったら、俺しんじゃえそうな位に嬉しい。幸せ。
でも、やっぱ朝だから。折角新品で綺麗なシャツに皺が出来てしまうかもしれないし…。道が今日に限って混雑してたりして遅れる可能性だってある。
「かえっ、てきたら…いっぱいしよ…?」
ふに、と涼の唇を押して俺も『待て』をしてみる。出張から戻ってきたら、時間は一杯あるから。
「…そうやって小悪魔ちゃんは俺を煽りに煽ってお預け…と」
「え、あ…悪い…そんなつもりじゃ…」
「んーん。可愛い昴流を長く堪能出来る方が良いしな。今日は我慢するから行く前に昴流の可愛い唇頂戴?」
「え、っと…」
涼の手が止まり、『待て』作戦が上手く行ったのは良いけど、今度は所謂キス顔ってものを目の前でされる。
目を閉じて、少し突き出された唇。そんな顔ですら色っぽくて、格好良くて。心臓が破裂してしまいそうな位にバクバクと鼓動する。
これは、その俺からキスしろってことかな。
「…したら元気でいてくれる…?」
「嗚呼、凄ぇ元気。俺1日中幸せ」
「わ、わかった…」
涼の綺麗な顔に両手を添えて、唇を近づける。
涼の顔が近づくにつれそれに比例して心臓の音も大きくなっていって、涼に聞こえてそうだ。
格好良い涼を意識しちまったら、中々キス出来なくて、ぎゅうっ、と涼の顔を見ないように力強く瞼をつむって、思い切って涼の唇に自分のを重ねた。
「…っふふ、ありがと可愛いお嫁さん」
「ひにゃ…っ」
茹で蛸のようになった顔を涼から離すと、涼と目が合い、涼は俺の顔を見るとクスリと小さく笑い、俺の首筋に吸い付いた。
いつもよりもちょっと上の、制服を幾ら着重ねても見えちゃう所。
まるで誰かに見せつけてるみたいで、その印に涼は満足そうに唇を舐めた。興奮してるとき、良くしているそれはいつ見たってドキドキする。
「じゃあ行ってくるな。…寂しかったら電話してきてね?」
「ばっ、な、ならないし…!!」
「あ、動画見ても良いからな?あのカメラクローゼットの1番右にあるから」
「~っもう!!!!」
1度スーツを整えて、出張用なのか旅行用よりは小さいスーツケースと普段の仕事用の鞄を手に持つ。
仕事へ行く直前でも涼の意地悪は健在で、俺がここ数日で必死に忘れようとしていたそれを思い出さされ頭上に湯気が立ち上る。
頬を膨らませてキッ、と涼を睨めば「可愛い可愛い」と笑って返されるだけだった。
「また明後日な、昴流。明日には帰ってこれると思うから」
「…ん」
明後日。短いようで、長い時間。
その間涼を見れないのだと思うと去年のことがあるからちょびっとだけ不安になった。
元気じゃなくなったらどうしよう、とか。そんなことが頭を過る。
「昴流からのプレゼント一杯あるしそんな心配そうな顔しないで?」
「で、も…」
「じゃあ俺も無理そうになったら電話するから。…な?」
「うん…」
「ふふ、ほんと俺の奥さんは超良い子」
そんな心配が涼にも伝わったのか、よしよしと俺の頭を撫でて大丈夫だと言ってくる。
電話…してくれるんなら安心…かな?
「…いって、らっしゃい」
「ふふっ、うん。行ってきます」
涼がソフトなキスをしてきて俺もそれに返すと、涼は小さく微笑んで玄関の扉を開けて外へと出て行く。
俺はドアが閉まって、去年とは違う涼の背が見えなくなるまで見送った。
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