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俺の袋の中身はどんどん増えていって、最終的にはスクールバッグが菓子袋と化し、本当にどうしようかと頭を抱える。
愁が欲しそうにしてたので半分あげたのだが、それでもかなりの量がある。兄貴にもあげようかな。俺1人でこんなに食べれねぇもん。
人生の内で菓子の量で頭を抱えることになるとか思ってもみなかった。菓子の山をどうするかで考えを巡らしていると直ぐに時間は過ぎて行き放課後になってしまう。
帰ってから処理の方法を考えることにして、スーパーに寄り道して材料を買って帰宅する。
帰ってからいつもよりも重たい鞄の中身を広げて溜息。中身が減っている…なんてことはなくて、やっぱり食べれる気がしない。
涼もこん位もらってるんだろうか。否、出張先だしもらってない?もらうとしても戻ってきてから?
もらうんだとしたら、その分涼が好きな人がいるってことで。そう思ったらもやもやする。自分がもらうのは何も感じないのに。嬉しさとかも、こんなもやもやも。
嫌だって、涼のまわりに一杯人がいて受け取ってる涼を想像したら、仕方のないことだと分かっているのにそう思ってしまう。
涼だって、喜んでもらってるんじゃないのに。寧ろ嫌だって思っているからこの日は元気じゃないのに。
ー俺って凄ぇ我儘ー
そんな自分が嫌で、そんな思いをどっかにやしたくて台所の前に立って買ってきた材料を広げた。
「ただいま昴流ー、凄ぇ甘い匂い~」
「え、あ…?」
兄貴の声が聞こえて、料理に没頭していた手を止める。時計を見たらもう9時。
え、嘘。もうそんな時間…?
「ご、ごめ…兄貴…まだ飯作ってなくて…」
「いつもより帰ってこれた時間早いしな。俺洗濯物畳んだり風呂入ったりしとくから急がなくて良いよ。気にすんな」
「…ん、ごめん…」
「だから大丈夫だって。それより今何作ってんの?」
仕事の鞄をソファに置いて、ジャケットを脱ぎ、既に緩められていたネクタイをさらに緩めた、ラフな格好で俺の手元を覗いてくる。
「え、昴流シュークリーム椿先生にだけあげるんだよな?」
「…?うん」
何故か驚く兄貴に、去年も涼だけにあげたじゃんと言う意味を込めて頷く。
え、何か駄目だった…?形が変だったとか…?
「…否、凄ぇ美味そうなんだけど、昴流何個作るつもりなの?」
「ふぇ…?」
何個って去年と同じ位作ってる筈なんだけど…。
何を言ってるんだと思いながら出来上がった分と今作ってる分を含めた生地の数を数えてみる。
1個2個3個4個……。
え、あれ。俺こんなに作ってたっけ?
「ど、どうしよ兄貴……作り過ぎちゃった…」
数えてみたら30個近くあった。去年よりも多い、多過ぎる。集中しすぎて数全然数えてなかった。
どうしよう…。涼が幾ら好きとは言ってもこの涼は食べきれないよね。30個って。1日1個食べても1ヶ月間食べれるじゃん。
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