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こんなに作り過ぎちゃったら涼も困るよな。
他の人にあげる?…のはしたくない。涼の為に作ったんだから。
…けど、この数は…、無いよな。どう見たって多すぎる。これを多いと言わずしてなんと言おう。俺の馬鹿。
「全部あげたら?」
「で、でも…涼困らせちゃう…」
「椿先生なら喜んでくれるんじゃね?」
そうだろうか。
だって食べ物だぞ?日を起きすぎてしまったら食べれなくなってしまう。しかも手作りなんだから尚更だ。
レンジでチンできる冷凍食品やスナック菓子とは訳が違う。
涼だって人間だ。絶倫で変態で体力の底が見えない涼にも、食べれる限界ってのがある。
持つ日数が1ヶ月はあったら涼だって食べきれるだろうが、そうはいかない。それに、シュークリーム1個って結構ボリュームあるんだぞ。
それなのにこんなに渡すのは…、どう考えたって迷惑でしかなくて。
どうしよう。数減らした方が良いよね。でもどうやって減らそう。作ったものは元の材料には戻らない。
「…減らすんなら何個か俺が食べてあげようか?それとも昴流が食べる?」
「だ、だめ…!」
シュークリームに伸びた兄貴の手を慌てて掴む。
駄目、兄貴でも駄目。
俺が食べるのも。
だってこれは、涼が好きなものだから。涼の喜んでくれる顔が見たくて作ったものだから。涼以外の手元に渡って欲しくない。
「りょ、涼が多いって言ったら捨てるから…。だから…」
「…ふふ、ごめんな。意地悪した」
「んゆ…」
食べるのは涼だけじゃないと嫌だって思ったら兄貴の腕を掴む手に力が入ってしまう。
兄貴はそれを痛がりも、振り払おうともせず笑って俺が握ってないもう片方の手で俺の頭を撫でて、髪の毛に兄貴の唇が触れる。
「昴流がこれだけは椿先生にしかあげないって思って頑張って作ったもんなんだから、椿先生なら幾らでも喜ぶだろ」
「ほ、ほんと…?」
「本当。昴流の気持ちが伝わるから良いんじゃない?」
気持ち…。俺が涼を好きって気持ち。
シュークリームの数と同じ位に俺の気持ちは重たいもので、いけないことでもやもやしちゃう程に、涼が溺れてしまいそうな位にその気持ちの水位は高いのに、それでも涼は喜んでくれるんだろうか。重たいって言われない?
「大丈夫だって。絶対喜んでくれるから」
「うん…」
俺がそう言ったら「考えすぎだ」って兄貴に笑われた。兄貴がそこまで言うんなら大丈夫…?
正直に言えば涼に嫌がられないか不安だけど、涼の家に行った時全部涼にあげてみようかな。
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