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「…それにしても、まぁ…大量にもらったなお前」
「え、あ…うん」
兄貴の視線がキッチンから食卓の方へ行き、そこに広げられた小包の数々に苦笑い。
愁に半分位あげたって言ったら「多過ぎだろ」ってまた苦笑い。
「昴流学校で人気なの?」
「……知らない」
1年の時は怖がられて話しかけられたことなんてなかったし、2年になって話しかけてくる人もいるにはいたけど、やっぱり怖がる人はいて。
怖がるくらいなんだから俺が好かれる要素なんてないようなもので、何で話したことのない奴等からこんなに貰えたのか少し謎ではある。
俺を好いてくれている、のは愁と琉生に言われたから分かってはいるんだけど、その俺の好きなところ?が何処なのか分からない。
それに、怖いのに好きだとか、俺には理解出来ない。
まぁ、別に謎であるだけでその謎を究明しようとは思わないけど。
だってきっと知ったって何の感情も湧かない。
そりゃあそうだろ。接点もない奴に好きだって言われて嬉しいとか思うか?自分も気になっていた人なら別として。俺のことそんな風に見てたんだ程度で終わりだろ。
俺の1番は涼で、涼に好きって言われないと嬉しくない。最初から噂になってる俺じゃなくて、本当の俺を見てくれて、そんで好きになってくれた涼からの言葉じゃないと何も感じない。
「…ま、こんなん気にしなくて良いと思うぞ。向こうも一方通行覚悟で渡してるようなもんだしな。昴流キスマ一杯見えるとこに付いてるし、昴流が誰かと付き合ってるなんて明白」
「…それでも渡すのか?」
「そう言う年頃?とりあえず自分の気持ちだけは伝えたい…みたいな?俺がハニーちゃんの年の時にもそう言うやついたよ」
「うーん…」
相手に恋人いるって分かってても渡すもんなのか。俺なら渡さないと思うけどなぁ…。あれかな、可能性は0じゃない…って奴?
それなら涼も渡される理由そんなのなのかな。
"『0』じゃない"。涼が頷く可能性。ないって信じてるけど考えてしまうと胸が苦しい。
「…嗚呼…昴流気にしなくて良いから。な?お前ネガティブに考え過ぎなんだって。適当に流しとけば良いからこんなの」
「…ん」
考え過ぎ。流しとけば良い。
そう、くれるとしても俺も涼もそこまで接点のない人で、そこまで深く考える必要はない。こう言うイベントなんだからもらうのだって普通のことで。分かってはいるんだけど考えてしまう。
「不安なら後で椿先生に連絡してみな?」
「…うん」
「んじゃチョコの話は終わり。気分転換にお兄ちゃんとお風呂入ろうなー」
「うわ…っ?!!ちょ、兄貴俺片付け…!!」
「そんなの後で一緒にすれば良いだろ」
俺の頭を兄貴の手が撫でた後、ふわりと体が宙に浮き、俺の体は兄貴の腕の中へ。
まだ片付けもしてないし、晩飯も作ってないからと言っても兄貴は聞かず、風呂場へ向かう。
今日は職場の人から入浴剤をもらったから使うと兄貴は上機嫌だった。
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