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兄貴が風呂に入れたのはバラの匂いがする入浴剤で、いかにも女の人が選びそうなもの。
甘くて、でも落ち着く匂いに包まれた浴槽に兄貴と暫く浸かり、俺が逆上せそうになったところで風呂から出た。
タオルで体を拭いても、入浴剤の匂いが体に残っててほんのりといつもと違う匂いがする。
「ハニー頭びしょびしょじゃん。ちゃんと拭かねぇと風邪引くぞ?」
「あぅ…っ」
寝間着を着て、リビングへ行こうとしたら兄貴が抱きついてきてそれを止められ、バスタオルで今にも床に滴り落ちそうな程に多く水分を含んだ髪を拭かれる。
兄貴にある程度髪を拭いてもらったら2人でリビングへ行き、台所を一緒に片付けて、晩飯を作る。
大雑把…っつーか雑な所がある兄貴の包丁捌きはいつ見ても危なっかしかった。
晩飯も食べ終わって、風呂の掃除して洗濯機を回して、一通り今日やることを終わらせたらベットに潜って、充電していた携帯に通知が来ていないか寝る前に確認。
と、1通あった。涼からのメッセージ。
『俺今日頑張った褒めて(●´・з・●)』
可愛らしい顔文字と共に送られてきた、可愛らしい内容にくすりと顔が綻ぶ。
この顔文字はなんだろう。何かを強請ってるのかな。唇とぎらせて可愛い。
『お疲れ。ちゃんと寝て疲れ溜めないようにな』
『昴流が耳元で大好きって言ってくれたら寝れそう』
『ばばかじゃねえの』
けど、次に返ってきたのは相変わらずなもの。
言わないし。つか言えないし。お前今俺の隣にいないのに言える訳ないじゃん。
『あ、じゃあ通話にすれば良いな。電話しよ?』
『え』
俺が突っ込みの言葉を書き終えるよりも前に鳴り出した俺の携帯。そう言う時だけは仕事が早い。
これは、出ないと駄目?無視は涼に悪いよな。
寝るつもりだったけど、ちょっとだけ涼に付き合うことにして通話のボタンを押す。
「りょー…」
『あ、繋がった。…っふふ、可愛い声』
いつものふんわりとした声。去年はやつれていたけど、今年は聞いた感じではそんな疲れは聞いた限りではない。
「大丈夫?」
『昴流のえっちな動画と昴流の電話で癒されてるから大丈夫』
「え、ええっち…な…」
最初最初。出来れば聞き間違いを疑ったが、聞き間違いする方が難しいから俺の耳は正常だろう。
あれ冗談じゃなかったの?え、マジで見てんの?犬猫の動画みたいな扱いされてんの?あれが???
「や…消して…っ」
『やーだ』
この機械の先で卑猥な光景が広がっていると思うと何とも言えない気分になって、体温が上昇する。
イヤホンで聞いてるのかこっちからは聞こえないが、見ているって事実が問題で、涼が消してくれないならと電話を切ろうとすればそれを先読みしたかのように「電話切ったら今週の休みにお仕置きな」と涼に釘を刺された。お仕置きは嫌だから通話終了のボタンを押そうとしていた手を止める。
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