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今日はあっと言う間に放課後になって、S.H.R.が終わったら直ぐに家に帰るついでにスーパーに寄って、服を着替えたら荷物を持って涼の家へ。
涼の家の中は当たり前だけど昨日の朝と同じ状態。冬ということもあり、夏だったらまだ明るいこの時間帯も薄暗く、カーテンを閉めて電気を付けて、暖房の電源も入れる。
涼の家なのに涼がいない。それだけで部屋がいつも以上に大きく感じる。カチカチと鳴る時計の針の音が余計にその感覚を強くしていき、気を紛らす為ににテレビの電源を入れた。
今日はまだ掃除してないから軽く掃除機を掛けた後は手を洗って台所に立つ。まだ時間は沢山あるからのんびりと作りながら涼の帰りを待つことにする。
ーピコンー
6時頃、ロールキャベツを煮込んでいる時にメッセージが入ったことを知らせる通知音が携帯から鳴った。
『ごめんね、思った以上に長引いちゃって今から帰るから8時位になりそう』
確認してみるとそれは涼からで帰宅が遅れると言うもの。
仕事なら仕方ない。ご飯が出来上がる時間とずれちゃうけど温め直せば良い話だから『お疲れ。待ってるな』と当たり障りのない返事を送った。
それから30分後にはメインのロールキャベツだけでなく他のおかずも全部出来上がってしまい、ソファに座ってテレビをぼーっと眺める。
ゴールデンタイムに入って、気分で見たり見なかったりしてるテレビ番組を見るもあまり面白くなく、ピコピコとリモコンを弄って落ち着きなくチャンネルを替え、また同じ番組に戻ってを繰り返す。
学校にいる時は時間の流れが速く感じたのに今は逆だ。亀のように、否、止まっているんじゃないかと錯覚してしまう程に掛け時計も、テレビの時計も進みが遅い。
気をそらす為に付けていたテレビも癪に障りだし、電源を切ってソファに横になって肘置きに顔を埋める。
涼の匂いが染み付いたソファ。涼が時々吸う紫煙の匂いも、付けてるバニラのような香水の匂いも、洗剤の匂いも。それが隣にあるだけで時間の進みがほんの僅かに速くなった気がした。
狭いソファの上で丸くなって、携帯に弄って時間と通知を5分置き位の頻度でに確認して。それが10数回続いたその時、ガチャリと玄関の鍵が開く音がリビングに響いた。
それを合図にむくりと起き上がって、玄関へ続く廊下への扉を開けると靴を脱いでる途中の涼の姿がそこにあった。
「りょお…っ」
「ん…?ふふっ、昴流ただいーー…っうお…?!」
その姿を見たら色んなものが胸に押し寄せてきて、小走りで涼の元に行き、そして飛び付いた。
匂いだけじゃなくて温もりもあって、がっしりとした涼の男らしい背に腕を回して胸板にすり寄る。
「…くす、可愛いお出迎え。尻尾ぶんぶん振っちゃって…」
「ひゃ…っ」
「甘えたわんちゃん」
尻尾なんてないのに、尻尾の付け根辺りを触るかの如く、尻よりもちょっと上辺りを涼の手がするりと撫でる。頭上から涼の唇が降ってきて、それだけできゅんきゅんと胸の奥が熱くなった。
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