アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
手洗いから出た後、遠くから涼が女の人と一緒にいるのが見えた。涼の今日の服を知っているから涼って分かる位の遠さで、ちらっと人の隙間から見えたくらいだから涼が相手と何をしているのかまでは分からなかった。
何の話をしてるんだろうか。涼変態でドSって言う中身は問題ばっかりだけどモデルでもおかしくない容姿だ。もしかしたらそう言う意味で声をかけられたりしたのかも…なんて考えが過る。
フードコートは混んでるから席のことで話しかけられたのかもしれないのに、他の理由の可能性だってまだ沢山あるのに、そう思ってしまうと胸の辺りが苦しくて、それ以上考えないようにした。
近くまできたらもう女の人はいなくて、代わりに涼の顔が怖かった。しかも煙草吸ってた。ヘビースモーカーではない涼は家では本当に時々しか吸わないし、外でなんてもっと少ない。俺が見たことあるのは片手の指で数えても余る程度だ。
そんな涼が吸っていることで涼の纏っているオーラが物凄く刺々しいものになっているのが感じ取れる。何かに怒ってる、みたいな。
その上、何でか涼の片手は擦り過ぎた、って表現が合うように肌が赤くなっていた。
女の人関係だろうか。嫌なことでもあったのかなって思って聞いてみたら大丈夫って笑って返された。現にも苛々を隠しきれてない涼は大丈夫ではないのだが…。
でも、その後はそんな顔見せなかったし、涼も大丈夫って言ったから、心配じゃない…って言ったら嘘になるんだけど涼を信じることにした。もしかしたら言いたくないのかもしれないし。詮索するようなことじゃない。
「天使ちゃん、昼食食べ終わったら何処回る?」
「んー…涼が見たいところ…?」
「昴流が行きたいところで良いよ」
昼食にハンバーガーをもきゅもきゅ食べていると、話題は今後の予定になる。
俺が行きたいところ…は、特にない。何があるのか分からないのもあるし、特に欲しいものがある訳でもない。俺は涼といたら何処でも楽しいから、涼が興味あるところに行きたい。
…あ、これって面白味がないって言われる奴…?デートなのに自分が行きたいところは特にないなんて。いつも俺そればっかだから涼からしてみたら嫌だった…かな。
「わ、悪い…俺デート、楽しくないんじゃなくて…っ」
「…くす…、分かってる。ただ昴流がしたいこと抑え込んでるんじゃないかって思っただけだから。もうちょい俺に付き合ってね?」
嫌がられたかもって慌てて言葉を補う。
涼はあたふたとしている俺にクスクスと笑い、頭を撫でてきた。俺の考え過ぎだったらしくて、安堵で吐息が零れる。
「昴流は良い子だな」
「…っ?」
「ふふ…、俺の自慢の天使ちゃん」
くるくると俺の髪で遊ぶ指が耳を掠める。
擽ったくてブンブンと頭を振ると笑われ、髪を弄る指が上部へと移動した。
何回か繰り返された「良い子」って単語に急に何を言い出すんだと言う視線を送り、首を傾げる。けれど、それに対して答えが返ってくることはなかった。
「良い子。…大好き」
「んぁぅ…っ、や…」
そうしてまた「良い子」と呟くと、顎の下辺りを猫にするみたいにカリカリと軽く引っ掻いてくる。
油断していたせいで声が裏返ってしまって、頬が羞恥に染まる。
そう言うことしないでって言ったのに…!
頬を膨らまして涼を睨めば、当の本人は愛おしそうに目を細めて俺の頬もつついてくるだけ。これは涼の中ではセーフラインってこと?俺は恥ずかしいからアウトラインです。
「遊ぶな馬鹿」
「ふふ、昴流のほっぺが柔らかくて可愛かったからつい」
「…もー…」
頬に可愛いも可愛くないもあるのだろうか。もしかして涼は頬フェチ…??
涼が楽しいなら幾らでもつつけば良いんだけどさ、たかが頬だし…。けど外では恥ずかしいかな。ちょっとだけで良いから抑えてください。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
643 / 1113