アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
その後のことはあまり覚えていない。一緒に風呂に入った気もするし、そのまま意識を手放した気もする。共通して言えることは気がつけば周りが自然の光で明るくなっていたってことだろうか。
腰はちょびっとだけ痛い。でもこれなら多分歩けはすると思う。走るとなると難しいところだろうけど、走ったりなんかしないだろうし…今日の予定に支障を来す程ではない。
涼は隣でまだ寝ている。俺を抱き枕にしてぐっすりと。セットされてない髪のせいでその、無防備な顔は幼く見える。
涼の寝顔を間近に見れるのは俺の特権。絶対誰にも渡さない。この可愛い涼を見て良いのは俺だけじゃないと嫌だ。
「涼、朝だよ」
「ん…もーちょい…」
時計を確認したらもう結構良い感じの時間になってたから観察するのを止めて、頬をつついて起こす。
涼はそう言って、もぞもぞと体を丸めて俺の肩に顔を埋めるだけで起きる気配はない。可愛いからもうこのままでもいっかと思ってしまった。
それで結局涼の可愛さに負けて10分延ばしてまた頬をつついた。今度はちゃんと起きてくれて、涼はおはようって言う代わりに俺にキスしてきた。
「昴流腰大丈夫?ごめんね、昴流が可愛いから止まらなかった」
「そこまで痛くないから平気」
「そう、良かった。…くぁ…、着替えるか」
もそもそと起き上がって布団を整えたら、涼がその場で服を脱ぎ出して、上半身に何も身に纏っていない状態でスーツケースの中身を漁り出す。
涼の背中は体が鍛えられてることが良く分かるほどに逞しい。けれど、ゴツい訳ではなくてあれだ細マッチョ…ってやつ?
そんな俺が到底到達できることのなさそうな背中を眺めていると、赤い縦線が幾つもついてあることに気づいて顔を近づけ、それを撫でて何なのか確かめる。
軽い引っ掻き傷…かな…?こんな所に?
涼がしたとは考えられない。じゃあ、誰が?
…あ、昨日、涼の背中に爪立てちゃったかもしれないからそのせい…?
「涼、背中…痛い?ごめん…」
「ん?…あー…ふふ…っ、痛くないし、昴流がこんなに感じてくれた証拠?愛の結晶?みたいだから気にしなくて良いよ」
自分からは見ることの出来ない傷を感触頼りに撫でると愛おしそうに微笑む。涼にとってはこんな傷も、キスマークもそう意味は変わらないらしい。
それでも見た目は猫にでも引っ掻かれたみたいになってて痛そうだ。だから心の中ではもう1度涼に謝罪した。
「昴流~、今日の服はどうする?昨日買った服にする?」
「昨日のはタグとか付いてない…?」
「剃刀あったしそれで切れば着れるよ」
昨日の服にはお揃いで買ったものがある。だから多分お揃いの服を着るか、そうじゃないのを着るかって意味で聞かれてるんだと思う。
それなら…、
「涼と、一緒の…」
服なんだからそんなのいつでも着れる。でも、服は合わせたことなかったから今出来るならしてみたかったと言うか…。
「ふふ、じゃあそうしよっか。ちょっと待っててね」
涼は剃刀を取りに洗面所へ。袋に入った剃刀を持ってきて、封を開けたら昨日買ったセーターについたタグに刃を当てる。
切ってもらったそれを受け取って、ヒートテックの上からその服を着てみた。サイズはピッタリだ。
いかにも新品って感じの店のにおいがする。知らないにおいがついてるのはほんの少しの違和感。まぁでも慣れれば大丈夫だよな。
「…あー…、昴流ちょっと止まって」
「…?」
ズボンを穿こうとしたときにストップをかけられてズボンに通そうとしていた足を止める。
何だ何だと思っていると、セーターに小量吹き掛けられた霧と化した液体。
「俺がこれ無理。キツイ」
何をつけられたんだと首回りを嗅いでみるとバニラの匂いがした。これは涼がつけてる香水の匂いだ。俺の服から涼の匂いがするのは違和感がなくて、反対に凄く落ち着く。
「…涼に抱き締められてるみたい」
こんなに近くから香水の匂いがする時と言ったら涼にそうされてる時に似ている。俺香水つけるの3日経たないで止めてしまう自信あるんだけど、涼と同じ匂いなら続けてしまうかも。
「…お前は1日1回俺を煽るのが日課なの?」
「ふぇ…?」
「頼むから煽らないで」
「えっ…?ご、ごめ…ん…」
涼に深くため息を吐かれ、どこら辺が駄目だったのか分からないけど、煽ること?を言ってしまったらしいから訳が分からないままに謝った。俺そんな高い頻度で変なこと言ってる…??
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
654 / 1113